ゾンビ企業が生き返る-中国の債務株式化、当初の狙い通り進まず

  • 経営状態の悪い企業が救済受ける手段と見なしている-BNPパリバ
  • 4-6月のスワップの55%は石炭・鉄鋼業界-ナティクシス推計

企業のレバレッジ急増を抑制するための措置を中国政府が打ち出してから1年がたとうとしている。ここへきて家計がリスクを背負う一方で、本来そうした措置に値しない企業が恩恵を受けているとの懸念が強まりつつある。

  政府は昨年10月、世界最大級に膨らんだ中国企業の債務削減の一環としてデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)プログラムの指針を公表。当初の狙いは健全な企業が有利子負債を減らすために同プログラムを利用し、肥大化した企業は排除するというものだった。

  ナティクシスによれば、今年4-6月(第2四半期)に株式に転換された債務はこれまでで最大で、プログラム開始後の累計は7760億元(約12兆7200億円)規模に達した。

  だが、同プログラムは常に当初の狙い通りに実施されてきたわけではない。中国国務院は昨年10月、赤字続きながら存続している「ゾンビ企業」はこの制度に参加しないとの見通しを示していたが、ナティクシスの推計では4-6月期のスワップの55%は過剰生産に悩まされている石炭・鉄鋼業界で行われた。

  格付け会社フィッチ・レーティングスは、「ゾンビ」の明確な定義がないことが一つの問題だと指摘。BNPパリバ・アセット・マネジメントの大中華圏担当シニアエコノミストの羅念慈氏は、経営状態の悪い企業が債務の株式化を救済を受ける手段と見なしているため同プログラムに引き付けられていると述べた。

  スワップの増加はリスクが個人投資家に移りつつあるとの懸念も引き起こしている。ファンドがそうした株式を高利回りの資産運用商品である理財商品に組み入れているためだ。ナティクシスのチーフエコノミスト、アリシア・ガルシアエレロ氏(香港在勤)は「家計が打撃を受けつつある」と指摘した。

原題:Zombies Propped Up as China’s Debt Swaps Surpass $100 Billion(抜粋)

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