【債券週間展望】長期金利は一段低下か、外部環境の追い風継続との声

  • 外部環境、円債にとってそれなりに悪くない-SMBC日興
  • 小幅のオペ減額あるかもしれないが債券は底堅い動きか-岡三証

8月第4週(21日-25日)の債券市場では、長期金利が一段と低下すると予想されている。米国のトランプ政権の先行き不透明感が強まる中、円高・株安など外部環境が引き続き円債相場の追い風になるとの指摘が聞かれている。

  長期金利の指標となる新発10年物の347回債利回りは16日に0.04%と2カ月ぶりの低水準を付けた。日本銀行が同日実施した国債買い入れオペで長期ゾーンの購入額が減額されたものの、オペ結果がしっかりとした内容だったことから買いが優勢となった。18日には米政権運営に対する不透明感や欧州で起こったテロでリスク回避の動きが強まり、0.035%と5月30日以来の水準まで下げた。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「トランプ米大統領に対する懸念がくすぶるとみられ、リスク回避の動きがどれくらい継続するかだが、外部環境は円債にとってそれなりに悪くない」と説明。「20年債入札が予定されているが、ボラティリティーが非常に低い状況下でそれなりにキャリーロールもあり、無難に通過すると想定している。金利上昇の材料の方が乏しい」とみる。

  財務省は22日に、20年利付国債の価格競争入札を実施する。161回債のリオープン発行で、表面利率は0.6%に据え置かれる見込み。発行額は1兆円程度となる。24日には投資家需要の強い既発国債を追加発行する流動性供給入札が予定されている。対象は残存期間5年超15.5年以下の銘柄で、発行額は5500億円程度となる。

過去の20年債入札の結果はこちらをご覧下さい。

  一方、日銀が公表した8月の長期国債買い入れの運営方針によると、23日には残存期間1年超5年以下と10年超、25日は5年超10年以下のオペがそれぞれ予定されている。16日の5ー10年オペでは300億円少ない4400億円に減額されており、中期ゾーンも減額懸念が根強い。

  SMBC日興の竹山氏は、「引き続きオペの減額が意識はされるが流動的」とし、「減額イコール需給の逼迫(ひっぱく)という連想になりやすい上、減額されれば悪材料出尽くしで16日のような相場展開もあり得る」と言う。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。

市場関係者の見方

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 20年入札は幅広い需要が集まって順調だろう、小幅のオペ減額あるかもしれないが債券は底堅い動きか
  • ジャクソンホール、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は議事要旨にもあったユーロ高への警戒感を背景にそれに配慮した発言になるだろう。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長はバランスシート縮小の話で、予想範囲内
  • 長期金利の予想レンジは0.02~0.06%

  
◎三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッド

  • 米国の政治的な不透明感から円高圧力が掛かりやすく、金利は下がり気味だろう
  • オペ減額、まず入札の状況を見極め、落ち着いていると判断すれば、為替の水準も考慮しつつ考えるのではないか
  • 長期金利の予想レンジは0.02~0.06%

  
◎SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジスト

  • 20年入札、先物対比で調整された感ありポジティブにみている
  • ジャクソンホール、株高などバブル懸念はあったろうが足元では修正余地が出ており、タカ派的になる必要もない
  • 長期金利の予想レンジはゼロ~0.07%  

*T

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