日本株は大幅続落、米政策停滞や円高進行を懸念-輸出など幅広く安い

更新日時
  • 鉄鋼など景気敏感業種の下げが目立つ、日経平均は3カ月半ぶり安値
  • 米政権中枢のコーン氏に辞任観測、米国株は大幅反落

18日の東京株式市場は3日続落し、日経平均株価は3カ月半ぶりの安値。トランプ米大統領の発言を巡る政治混乱やスペインでのテロ事件を受け、米国の株安・金利低下や為替の円高などグローバルでリスク回避の動きが加速したことが響いた。電機など輸出や銀行など金融中心に東証33業種中31業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比17.46ポイント(1.1%)安の1597.36と6月16日以来の安値、日経平均株価は232円22銭(1.2%)安の1万9470円41銭と5月2日以来の安値。

  りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは「良識派の筆頭と目されていたコーン国家経済会議(NEC)委員長の辞任騒動は米政権運営リスクの次元が変わってしまったと受け止められる」と指摘。トランプ米大統領が政権の浮沈をかけて貿易などで強硬な姿勢になることも想定されるため、米国をはじめ世界的なリスク資産からの資金流出が警戒されるという。

東証内

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  人種を巡るトランプ米大統領発言の余波が拡大している。コーンNEC委員長が辞任するとの臆測が広がり、ホワイトハウス当局者が火消しに回ったほか、米下院民主党はトランプ米大統領に対する弾劾決議案を提出すると発表。事情に詳しい関係者1人によると、米大統領はインフラ(社会基盤)に関する諮問委員会の設立計画を断念した。

  米政治不安が高まったことや、スペインのバルセロナ中心街で群衆を狙ったテロ攻撃が起きたことが嫌気され、17日の米国株はS&P500種株価指数が1.5%下げて7月11日以来の安値となった。

  みずほ証券投資情報部の三野博且シニアストラテジストは、「コーン氏の下で9月末に税制改革の大枠が示されれば、米政策に対する見方も持ち直すとの期待がはく落、米政権の経済政策がさらに進みにくくなったとみられた」と指摘。トランプ政権の目玉政策のとん挫によって、「米景気の先行きに打撃が与えられると懸念した」という。

   米経済指標もさえず、17日に発表された7月の鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)は前月比0.2%上昇と前月から伸びが鈍化。米国債は安全な逃避先として買いを集め、10年債利回りは4ベーシスポイン(bp、1bp=0.01%)下げて2.19%。きょうの為替市場でドル・円相場は一時1ドル=109円20銭台を付け、前日の日本株市場終値時点の109円81銭からドル安・円高に振れた。

  この日の日本株は幅広く売られ、ソニーや任天堂など時価総額上位で外国人持ち株比率が高い銘柄や景気敏感業種の下げが目立った。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、日経平均やドイツDAX指数が6月に目先の天井を打ち、アジア各国の主要株価指数も足元で下げ始めていることに触れ、「ヘッジファンドのパフォーマンスも先週あたりから急激に悪化しているとみられ、需給主導で相場が不安定化しやすい」と分析。石黒氏は日経平均の目先の下値めどを、年初からのもみ合いで累積売買代金の多い1万9000円とみている。

ドル円と日経平均の推移

  東証1部33業種の下落率上位は、鉄鋼、保険、証券・商品先物取引、不動産、非鉄金属、ガラス・土石製品、化学、銀行など。海運、食料品の2業種のみが小幅に上昇した。海運大手については野村証券が業績予想を引き上げた。売買代金上位では、SMBC日興証券が業績予想を下げたフジクラ、JPモルガン証券が目標株価を下げた日本特殊陶業が安い。マッコーリーキャピタル証券が業績予想と目標株価を上げたアサヒグループホールディングスは高い。

  • 東証1部の売買高は16億7173万株、売買代金は2兆1224億円
  • 上昇銘柄数は279、下落は1672
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE