8月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが小幅高、コーン氏辞任観測の否定で持ち直す

  17日のニューヨーク外国為替市場ではドルが小幅に上昇。コーン国家経済会議(NEC)委員長が辞任するとの臆測が広がったことで一時軟調な展開となったが、ホワイトハウス当局者がこれを否定したことから持ち直した。

  バージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者らと反対派との衝突に対するトランプ大統領の発言に、コーン氏はひどく動揺したと伝えられていた。匿名のホワイトハウス当局者はこの日、コーン氏が辞任する計画はないと明らかにした。ドルは主要10通貨のうち、安全な逃避先とみられる円とスイス・フランを除く全てに対して値上がり。一方でユーロはドルに対して3週ぶり安値に下落。欧州中央銀行(ECB)が公表した政策委員会(7月19-20日開催)の議事要旨では、このところのユーロ上昇について当局者から懸念の声が上がったことが示された。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.2%上昇。

  ドルは対円では0.6%安の1ドル=109円57銭。ユーロはドルに対し0.4%安の1ユーロ=1.1723ドル。

  コーン氏辞任の臆測で、市場ではトランプ大統領の経済アジェンダに影響が及ぶとの見方や、同氏に代わって誰が次期連邦準備制度理事会(FRB)議長の最有力候補になるのかとの疑問が広がったと、ブルームバーグ・インテリジェンスのマイケル・マクドノー氏は指摘。コーン氏辞任の臆測を背景に米10年債利回りは低下。ホワイトハウス当局者が否定した後も下げは止まらず、2.20%を割り込んだ。

  トランプ政権内の混乱に対する根強い懸念と、米国債利回り低下や株価下落を反映し、ドルは円とスイス・フランに対して0.5%超の下げとなった。ドルは対円で一時110円程度まで下げを縮める場面もあったが、その後再び下げを拡大した。

  このほか、スペインのバルセロナ中心部でバンが歩行者に突入し、多数の死傷者が出たとの報道も市場に影響した。

  ECBの議事要旨公表後、ユーロはドルに対して一時1.1662ドルに下落したが、その後は下げ幅を縮めた。公に話すことが認められていないとして匿名を条件に語った複数のトレーダーによれば、1.1650ドルを控えてユーロに買いが入ったほか、ヘッジファンドもユーロ買いに動いたとみられ、1.1700ドルに戻した。

  議事要旨には「これまでのユーロ上昇には、他国・地域と比較したユーロ圏の相対的ファンダメンタルズに変化が生じたことも反映された可能性が指摘された一方で、将来に為替レートがオーバーシュートするリスクへの懸念も示された」と記述された。

  JPモルガンは10-12月(第4四半期)のユーロの対ドル予想を1.20ドルと、従来の1.16ドルから引き上げた。また18年7-9月(第3四半期)については1.25ドルに上方修正。トランプ大統領の支持率低下や政策面でのつまずきで「議会が夏の休会から戻った後に債務上限の議論が複雑化するリスクが続く」こともこの予想変更の理由の一つだとしている。

  チャプデレーンのダグラス・ボースウィック氏は、ユーロはドルに対してなお過小評価されており、1.25ドル程度の水準にあるべきだろうとの見方を示した。  
原題:Dollar Pares Gains as Skittish Traders Focus on White House(抜粋)

◎米国株:大幅反落、大統領発言巡る論争過熱で市場不安高まる

  17日の米国株相場は大幅反落。米バージニア州での白人至上主義者デモに関するトランプ大統領発言を巡る論争が悪化したことや、バルセロナ中心街の人混みに自動車が突入し数人が死亡するテロ攻撃が発生したことを受け、市場で不安が高まった。

  S&P500種株価指数は前日比1.5%下げて2430.01。下落率は年初来で2番目に大きく、5月半ば以降で最大だった。ダウ工業株30種平均は274.14ドル(1.2%)安の21750.73ドル。ナスダック総合指数は1.9%低下した。

  トランプ大統領が企業トップで構成される助言機関2つを解散し、人種に関する自らのコメントを批判した共和党議員を罵倒したことで大統領の政策課題の遂行がますます危ういとの観測が浮上し、寄り付きから下落した。コーン国家経済会議(NEC)委員長辞任のうわさが流れたことも株売りに拍車を掛けたが、同氏が現職にとどまる意向だとの報道を受け短時間ながら下げ渋る場面もあった。同氏は大統領の税制改革に向けた取り組みを統括している。

  バルセロナでのテロは、北朝鮮情勢を巡る緊張がにわかに高まったことが記憶に新しい市場で、地政学的不安が依然として世界経済の成長への脅威になっていることを想起させた。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は15.55に急上昇した。

  ただ、株式市場が今にも崩壊する様子はないとの指摘もある。ナショナル・アライアンス・キャピタル・マーケッツの国際債券責任者のアンドルー・ブレナー氏は、「調整はどこかの段階で入るが、それを促す要因は必ずしもはっきりしない。ただ、中央銀行は金融緩和巻き戻しから後退しており、現在がそれ(調整開始)にあたるとは思わない」と述べた。

  S&P500種の業種別指数は全11指数が下落。情報技術と金融が下落率1、2位となった。

原題:Markets Roiled as Tension Mounts Over Trump Stance: Markets Wrap(抜粋)
原題:U.S. Equities Post Second-Worst Day of Year on Trump Concerns(抜粋)

◎米国債:上昇、トランプ大統領発言やバルセロナのテロ攻撃で逃避需要

  17日の米国債は上昇。米バージニア州シャーロッツビルでの暴動を巡りトランプ大統領の発言が議論を呼んでいるほか、スペイン・バルセロナの中心部で群衆を狙ったテロ攻撃が起き、この日は米国債に安全な逃避先としての買いが集まった。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて2.19%。

  観光シーズンのピークを迎えたバルセロナの中心部でバンが歩行者に突っ込み13人が死亡した。カタルーニャ自治州の政府によれば負傷者は50人。当局は容疑者2人を逮捕した。

  トランプ米大統領は前日、メンバーの辞任が相次いでいた2つの助言組織を解散した。さらにこの日は、自分の発言を批判した共和党上院議員2人をツイッターで罵倒した。市場ではトランプ政権の政策実現が一段と危うくなっているとの見方が広がった。

  米政権で税制改革を担うコーン国家経済会議(NEC)委員長は同役職にとどまる意向だと、ホワイトハウス当局者が述べた。シャーロッツビルで起きた白人至上主義者らと反対派との衝突でトランプ大統領の発言に特に動揺したと伝えられたコーン氏だが、辞任する考えはないと、匿名を条件に述べた同当局者が明らかにした。

原題:Eurodollar Put Spreads Sold Again; UST Futures Volumes Robust(抜粋)
Markets Roiled as Tension Mounts Over Trump Stance: Markets Wrap(抜粋)
Barcelona Terror Attack Kills 13 as Van Hits Tourist Spot (1)(抜粋)
Gary Cohn Is Said to Stay in Post as Top Trump Economic Adviser(抜粋)

◎NY金:続伸、1300ドルをうかがう-ECB議事録と米政治混乱で

  17日の金先物相場は続伸し、1300ドルをうかがう展開。ECB当局者はユーロが上昇し過ぎるリスクに懸念を示した。米国では政治的な摩擦が深刻化している。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.7%高の1オンス=1292.40ドルで終了。

  「米欧の中央銀行の議事録から、いずれも緩和的な金利政策を継続することが読み取れる。これで金の強気派は勢いづいた」ー貴金属関連の調査などを手掛けるキトコ(モントリオール)のシニアアナリスト、ジム・ウィコフ氏がリポートで指摘。

  米国を代表する企業のCEOらで構成する助言組織の解散で、「トランプ政権が親ビジネス政策を推進するという当初の大きな期待は踏みにじられた」ーオイゲン・ワインベルク氏らコメルツ銀行のアナリストがリポートで分析。

  銀先物は上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウム先物は一時、2.4%高の932.00ドルと2001年以来の高値。プラチナも上げた。
原題:PRECIOUS: Gold Extends Rally Near $1,300 Amid ECB, Trump Concern(抜粋)

◎NY原油:反発、47ドル「戦線」付近-在庫データ見極め

  17日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は反発。米在庫データをトレーダーが検証する中、強気と弱気が攻防するテクニカルな「戦線」として新たに浮上した47ドルの付近で引けた。
  エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は電話取材に対し、「ここが強気と弱気がせめぎ合う戦線、ちょうど47ドルあたりだ」と指摘。「今のところ割安に見えるからと試しに買うのも良いかもしれないが、同時に現在の市場には弱気要素が多数ある」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI原油先物9月限は前日比31セント(0.66%)高い1バレル=47.09ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント10月限は76セント上昇の51.03ドル。
原題:Oil Closes Near $47 as Traders Assess U.S. Stockpiles, Output(抜粋)

◎欧州株:1週ぶり大幅安、トランプ政権の政策に不安-銀行株に売り

  17日の欧州株式相場は約1週間ぶりの大幅安となった。トランプ米大統領の助言組織からメンバーが相次いで辞任したことを受け、景気促進を目指した政策アジェンダに対する不安が広がった。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.6%安の376.87で終了。債券利回りの低下を背景に、銀行株が3カ月ぶり大幅安となった。ストックス欧州600は前日まで3日続伸、5月高値からは4.9%下げている。

  スイスの水道機器メーカー、ギーベリッツが5.8%下落。同社の四半期利益は最も低いアナリスト予想にも届かなかった。ストックス欧州600の業種別指数の中で建設株の下落率が3番目に大きかった。製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズは10%急落。ジェネリック医薬品(後発薬)事業の業績見通しを下方修正したことが嫌気された。
原題:European Stocks Decline as Investors Assess U.S. Policy Concern(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債先物、レンジ取引-ECB議事要旨に注目

  17日の欧州債市場ではドイツ国債先物が上下約2.5bpのレンジ取引に終始。出来高は典型的な夏季の30日平均の約70%にとどまった。ECB議事要旨のほか、コーン米国家経済会議(NEC)委員長が辞任するとのうわさを背景に、中核国の国債は一時上昇した。

  ECB議事要旨を受けて、ドイツ国債先物は上下に浮動。当局者らがユーロが上昇し過ぎることへの懸念を示したことでユーロが対ドルで下げ、これが一時押し上げ要因となった。議事要旨によれば、政策委員会はフォワードガイダンスを「漸進的に」変更することを協議したほか、政策調整のさらなる先延ばしへの懸念を一部当局者が示した。

  未確認のツイッター口座から発せられたコーンNEC委員長が辞任するとの投稿でうわさが広がり、米国債が下げた。それまで狭いレンジ内で推移していたドイツ国債も追随した。この後ニュースサイトのアクシオスがうわさは誤りだと報じたことで、下げを埋めた。
原題:Bunds Steady After Brief Spikes; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE