【起債評価】競争で幹事、SMBC日興、東海東京、みずほ-福岡債

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  • 発行体はより良質な起債情報を含めたサポートを幹事に期待できる
  • 幹事は多くの手数料収入、投資家は大口購入が複数社通さず可能

10年地方債発行で独自の「競争型幹事方式」を導入している福岡県の8月債は、SMBC日興証券、東海東京証券、みずほ証券が幹事を務めた。この方式は発行体ばかりでなく、証券会社や投資家にも利点がある。

  福岡県が前回発行した6月債の幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ゴールドマン・サックス証券、みずほで、みずほ以外が今回入れ替わった。この手法は幹事3社の引受額を多くして起債ごとの幹事選定の際に競争を促す。発行体はより良質な起債情報を含めたサポートを幹事に期待でき、幹事はより多くの手数料収入に加えて引き受け実績増にもつながる。

  8月債は発行額150億円中、幹事3社の引受額は計130億円と9割近くを占めた。大口購入を希望する投資家でも複数社を通さずに希望額を買えることから、投資家にもメリットがある。今回は約25%が信託銀行や都銀などの中央投資家に販売された。久しぶりに地方債への投資を再開する投資家も見られたと幹事は説明している。シンジケート団を構成する他10社の引受額は各2億円。

  福岡県の総務部財政課県債・資金班の村上喜一朗・主任主事は、幹事と引受金融機関の選定作業に時間がかかるとしながらも「主幹事方式の競争性とシ団方式の安定的な起債運営の双方のメリットを得ることができる」と話した。また幹事選定については「投資家との対話を重視し、市場と投資家の動向の把握に加えて、今後も含めた長期的な取り組みについての提案を重視している」と述べた。

  地方債市場で主流のシンジケート団引き受け方式と増加傾向にある主幹事方式を合わせた方式として福岡県は、この方式を2007年7月の10年債から導入している。12年度からは北九州市も10年債に採用した。

  シ団引き受け方式の地方債は通常、条件決定日の前場が開く前に、前日の国債利回りで値決めされるが、福岡県債は条件決定日の前場引け後に条件決定する。投資家の交渉と条件決定の日付が変わることで生じる基準金利の変動リスク、いわゆる「オーバーナイト・リスク」の回避を図っているのも特徴だ。

需要調査

  ソフトヒアリングで投資家は8月に先行した個別地方債と同じ国債+14.5ベーシスポイント(bp、bp=0.01%)を意識していた。需要調査初日から190億円程度、+15bpまでで約290億円の需要を確認し、翌9日にレンジを+14.5bpに絞った。中央投資家と地方投資家の比率は販売金額ベースで約1対3で、最終需要は発行額に対して約2.2倍だった、と幹事は説明した。

  主幹事によると、福岡県債を継続的に購入している定例バイヤーに加えて新規投資家を複数確認、参加投資家件数は延べ80件程度だったという。

需要調査のレンジ推移は以下の通り。

10年債 
8月7日ソフトヒアリング
  8日国債+14.5~15bp
  9日国債+14.5

購入投資家層は以下の通り。

中央投資家地方投資家
福岡県債都銀等、信託、中央公的地銀、系統下部、地方公的、諸法人
(末尾に参加投資家数を追加して更新します.)
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