ドル・円は110円割れ、米大統領助言組織の解散やFOMC議事録重し

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  • ドル・円、朝方の110円22銭から一時109円67銭まで下落
  • トランプショックやハト派FOMC議事録手掛かり-三菱東京UFJ

東京外国為替市場でドル・円相場は下落した。トランプ米大統領の助言組織解散や、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でインフレ鈍化懸念が示されたことなどが背景。日本の貿易黒字が市場予想を上回ったこともあり、2日ぶりに1ドル=110円台を割り込んだ。

  17日午後3時55分現在のドル・円は前日比0.3%安の109円90銭。朝方の110円22銭から一時109円67銭まで下落した。円は主要10通貨に対し全面高。

  三菱東京UFJ銀行金融市場為替グループの野本尚宏調査役は、ドル・円について、「前日のトランプショックやハト派なFOMC議事録を手掛かりに軟調な動き。物価動向でみたら2018年の利上げペースは相当緩やかになることが意識されている」と説明。「今週の上げ幅を削っており、109円半ば維持がポイント」と述べた。

円とドル

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  トランプ大統領は16日、メンバー辞任が相次いでいた二つの助言組織を解散するとツイッターで表明した。

  同日公表された7月25、26日開催FOMC議事録によると、ディスインフレを巡り議論が白熱した。7月の住宅着工件数は市場予想に反して前月比で減少した。

  17日の米国では、ダラス連銀のカプラン総裁が講演するほか、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の鉱工業生産指数などが発表される。

  財務省がこの日発表した7月の貿易収支は4188億円の黒字となり、市場予想(3271億円の黒字)を上回った。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「トランプ大統領が助言組織を解散したことや、FOMC議事録でインフレ鈍化懸念が示されたこと、住宅着工が悪化したことなどを材料にドルは調整を迫られている」と指摘。「貿易黒字は予想より多かったので、多少は円高要因。110円割れを後押しする要因になった」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、ほぼ横ばいの1ユーロ=1.1766ドル。前日には一時1.1682ドルと7月28日以来の水準までユーロ安・ドル高が進んだ。ユーロ・円相場は0.3%安の1ユーロ=129円33銭。

  欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は来週、米ジャクソンホール・シンポジウムで新たな政策メッセージを示さないとロイター通信が事情に詳しい関係者を基に報じた。

  みずほ証の鈴木氏は、ドラギ総裁はジャクソンホールで新しいことを話さないとの報道を受けてECBへの期待が後退しているものの、FRBのハト派姿勢が下支えしていると指摘。「1.17~1.18ドルで動きづらくなっている」と述べた。

  一方、三菱東京UFJ銀の野本氏は、「昨日の報道があっても1.17ドル割れでは買いが相当強かった。ジャクソンホールもそれほど材料視されず、焦点が9月ECBに移ったと考えると、そこへ向けた期待でユーロロングが増えてユーロ・円などの下値を支えそう」と語った。

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