NYプラザホテル、VIP客たちの仰天リクエスト-執事体験記

ニューヨーク・マンハッタンの老舗、プラザホテルは、伝統的な3段トレーを用いたアフタヌーンティー、タキシードを着たベルボーイによる荷物運びなど伝統的なサービスが今も生きている。だが、インターネット通販で何でもすぐ手に入る今のご時世において、今や消えつつあるこうした貴族が受けるようなサービスと迅速な要望の実現の両方をどのようにして両立できるのかが気になるところだ。

バトラーのいるホテル

Illustration: Zohar Lazar

  プラザにはバトラー(執事)が11人おり、全員が経験豊富。昼夜を問わず282の客室に宿泊する全ての客のリクエストに応え、王侯気分を味わわせる仕事だ。だが裕福で高名な客の要望にはかなり変わったものもあり、それがどんなに奇妙でも表情一つ変えずに仕事をこなす必要がある。今年7月の2日間、プラザのバトラーとしての仕事を体験して知った驚くべきことを以下に紹介しよう。

「SA」のレッテルを貼られないように

SA

Illustration: Zohar Lazar

  国王、女王、国家元首などVIP中のVIPを、バトラーらは「V1」と分類する。長期滞在者やセレブなどは「DV」。だがVIPの中で一番下にランクする「SA」は「Special Assistance」、つまり特別補助を意味し、よく苦情を言ったり要求が多かったりする難しい客のことだ。

気まずいバスタイム

バスタイム

Illustration: Zohar Lazar

  バトラーがよく受けるリクエストの1つは、浴槽に湯を満たし、バスソルトやバラの花びらなどを入れてほしいというものだ。だが9割以上の場合、湯の温度を上げる、バスオイルを追加する、入浴後に湯を抜くなどを頼むために裸で入浴中の客がバトラーをバスルームに待機させたままにしておく場合が多いのだ。

世にも奇妙なリクエスト

さまざまなリクエスト

Illustration: Zohar Lazar

  何らかの薬物を調達するようにとのリクエストは極めて少ないが、バトラーの一人は、とりわけ夜にリクエストがよく入るコンドームを持ち歩いているという。その他にもバトラーたちは、点滴用の食塩溶液を調達してほしい、青い色が嫌いなので部屋の家具を全て入れ替えてほしい、さらにはアフリカから空輸した生きたタランチュラを調理してほしいなどという要望を受け、それに応じたというから驚きだ。

ホリデーシーズンは要望が殺到

  プラザでのイベントがめじろ押しとなる10月から12月にかけては、ちょうネクタイ結びやドレスのファスナー締めの依頼が毎晩4-5件あるという。さらに、ここ数年では部屋をホリデーらしく飾り付けてほしいという声があまりに多くなったため、チェックイン前にバトラーが飾り付けをした生木のクリスマスツリーのある部屋を、クリスマスプラン(料金500ドル=約5万5000円)として提供し始めた。

「お客様は神様」とは限らない

クレーム

Illustration: Zohar Lazar

  宿泊客からの苦情にはパターンがある。ランドリーサービスは用紙に仕上がりまでの所要時間が明記してあるにもかかわらず、時間がかかりすぎるとの苦情が毎日入る。客室のミニバーの中身を全部飲んだ場合の料金は600ドルで、この料金支払いを客が渋るケースは週に1回はある。このため、バトラーは小型のカメラで証拠になりそうなものを撮影する必要がある。こうしておけば、レビューサイトで怒りの悪評価が投稿された時、バトラーはうそを証明するための証拠をきちんと提示できる。

アフタヌーンティーで残った食べ物は無駄にならない

アフタヌーンティー

Illustration: Zohar Lazar

  プラザの奥まったエリアにはスタッフ専用のカフェテリアがあり、温かい(しかも驚くほどおいしい)食事がランチ、ディナー、深夜の時間帯に食べられ、ベーグルや飲み物などは終日出される。毎日午後5時30分ちょうどを狙って訪れれば、ホテル内の「パーム・コート」で振る舞われるアフタヌーンティーのケーキやスコーンなどの残り物(とはいっても、用意したが皿に盛り付けられることがなかったもの)にありつける。

原題:12 Shocking Things I Learned by Working as a Butler at the Plaza Hotel(抜粋)

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