FOMC議事録:当局者に自問の動き-インフレ予測モデルの有効性で

  • 「大半」の参加者は緩やかな利上げ継続に引き続きコミット
  • インフレ予測に対する確信に揺らぎが生じ始めている兆しも

米金融当局者は、インフレに関する自分たちの最も基本的な予測モデルを調べ、それに何か問題がないか自問し始めているところだ。

  米連邦準備制度理事会(FRB)が16日に公表した7月25、26両日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、緩和的な金融環境や労働市場の引き締まり、堅調な経済成長の下でもインフレ率が伸び悩んでいる理由を巡り、激論が交わされた様子が示された。

  米金融当局は過去5年間の大半にわたり2%のインフレ目標を達成できずにいるが、FOMC参加者の過半数はさらなる利上げを支持している。だが議事録からは、それが正しい政策対応であるかどうか、白熱した議論が行われたことが浮き彫りとなった。

  ジェフリーズのチーフ金融エコノミスト、ウォード・マッカーシー氏は「こうした議事録の内容は難題を突き付ける。当局者は自分たちの政策決定に自信がなく、正しいガイダンスを示すことができるか確信を欠いている」と語った。

  FOMCはそうしたメッセージを送るのを避けるよう、懸命に努めたと見受けられる。

  議事録の幾つかの部分では、「大半」の当局者が最終的にはインフレ高進が顕在化するとの予想を堅持していると記述。しかし、リソースのスラック(たるみ)モデルや、標準的なデータソースで全体像がつかめるかどうかについての議論からは、当局者自身の予測に対する確信が揺らいでいることが浮かび上がる。

  議事録によれば、リソースのスラックモデルについて「大半」の当局者が有効な枠組みと考える一方、「数人」の当局者は同モデルが「特に役立つものではない」との見方を示した。

  FOMC参加者はまた、労働資源の引き締めにインフレが反応していない理由に関して幾つかの理論を検証。「スラックの計測には失業率以外の労働市場の指標の方が良いのではないかといった可能性」も議論された。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)の世界経済調査責任者イーサン・ハリス氏は「それはデータと理論との間の闘いだ」と述べ、最新の議事録に政策の手掛かりがあるとすれば、FOMC参加者の過半数とリーダー層の一部がさらなる利上げのハードルを低いままに保っている点だろうと論じた。

  今回の議事録は特別に2文を割いて、「ある参加者」の見解を記した。恐らくリーダー層にあると考えられるその参加者は、追加的な利上げが金融当局の政策目標の「適切なバランス」を取ることになるとの見方を表明した。

  アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏(ニューヨーク在勤)は顧客向けリポートで、「私には知る由もない」としつつも、そのある人物が恐らくイエレンFRB議長のような「とても重要な誰かでない限り、たった1人の参加者からのものとしては極めて多くのスペースを割いて、非常に明確な回答が示されたと受け止められる」と指摘した。

原題:Fed Starts to Wonder If Cornerstone Inflation Model Still Works(抜粋)

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