スコッチにうんちくやルールは無用-スコットランドで楽しむのが最高
Kate Krader-
全てのスコッチがスモーキーというわけではない-ボーディン氏
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オンザロックにすることも-真の専門家は氷など入れないのが流儀
スコッチメーカー「バルヴェニー」のコンサルタントを務める作家でありシェフのアンソニー・ボーディン氏にウイスキー、とりわけスコッチの飲み方について話を聞いた。ブルームバーグ・パースーツのシリーズ企画「ルール」で数カ月前にインタビューをする機会を得た。
ウイスキーの飲み方に関するルールなどない。これがボーディン氏の譲れない主張だ。そしてスコッチを巡るわれわれの誤解も解いてくれた。
ウイスキーをオーダーする時に一番気を付けることは何でしょうか?
最初に言っておくが、ウイスキーの間違った飲み方などない。だが多くの人々にとって、楽しみ方を完全につかむまで、ある程度の時間は必要だ。わざわざ好きこのんで最良の飲み方などというのを今探すことはないと言いたい。マイペースで試すことだ。年齢にもよるだろうが、恐らく飲み始めたばかりなら、安手のウイスキーを試すことになるだろう。それでいい。いずれ十分たっぷりにウイスキーを試し、本当に素晴らしいウイスキーに巡り会う時までに、うまくいけばその違いを理解できるようになっているだろう。それはまさに魔法の瞬間だ。
ウイスキーの香りについてのこだわりは?
最初に断っておくが、私はウイスキーの専門家などではない。自分が何を好きか知っており、一口飲めば、良いウイスキーかどうかと言うことはできる。だがその複雑さについて、くどくどとうんちくをたれるつもりはない。ウイスキーを飲むという体験について、学者がありきたりの説を述べたり注釈を付けたりすべきものではないというのが私の考えだ。人生を楽しみ、良い音楽を聴き、気持ちの良い会話をする人々に囲まれていたい。ウイスキーはそうした風景の一部であるべきだ。
バルヴェニーと一緒に働き始めて私が学んだ一つは、スコッチでも全てがスモーキーというわけではないということだ。スコッチについて特に広く誤解されていることだ。全くの間違いだ。

好きな時間にスコッチを楽しんでほしい
ウイスキーを楽しむ最適な時間は?
いつでも好きな時間にどうぞ、といったところだ。ただ個人的経験で言えば、遅い午後に場末の誰もいない酒場で、何にもわずらわされることなく、良い曲を聴きながら、親しいバーテンダーの前で、思いにふけるのが私の好みだ。
水割りやオンザロックをどう思いますか?
私の異端の振る舞いを認めよう。もしスコットランド人が見ていないなら、グラスにひとかけらの氷を入れることもある。だがバルヴェニーのモルトマスターであるデービッド・スチュアート氏ら真の専門家は氷など入れない。香りを際立たせるために水を加えるのが彼らの流儀だ。
ウイスキーを料理に使いますか?
確かに、ウイスキーは料理に使える。ペカンパイやカラメルソースなどのデザートに使えばファンタスティックな味わいになるかもしれない。ペッパーステーキと12年物のバルヴェニーの相性も悪くない。これはブランデーでもいい。なんともいかした組み合わせだ。しかし、大部分は飲むために残しておく。
特にお勧めの組み合わせは?
スコットランドでスコッチを飲む以上の楽しみを見つけることは難しい。スコティッシュチーズにジビエ、伝統料理のハギス。ハギスにはカレーソースを絡めたい。こうした料理と共にグラスを重ねるのが大好きだ。

アンソニー・ボーディン氏
原題:So, Anthony Bourdain Doesn’t Care How You Drink Your Scotch(抜粋)