中国の対外投資、国が「運転席」に戻る-選択的にグローバル展開へ

  • 海外M&A審査強化でもスリランカ港湾投資は承認
  • 「一帯一路」関連諸国への投資の割合が上昇

中国の投資家や企業幹部は今年、肝を冷やした。政府が大手の本土企業とこれら企業による海外での企業の合併・買収(M&A)の締めつけに動いたためだ。

  バブル崩壊後に低迷が続いた日本の轍(てつ)を踏むまいと、中国当局はこうしたM&Aが中国の金融システムを不安定にし、人民元相場を押し下げ、債務をさらに膨らませると懸念している。

  当局によるM&A審査が厳しくなっているものの、国内経済の可能性を支える対外投資は引き続き認可を得ている。その一例がスリランカの港湾施設を開発・運営するため最大11億2000万ドル(約1240億円)を投資するチャイナ・マーチャンツ・ポート・ホールディングスの計画だ。

  ローディアム・グループの分析によれば、中国の事業体による海外M&Aは昨年、民間企業が中心だったが、今年は国有企業が優勢だ。国有企業は1-6月のM&A総額のほぼ60%を占めると推計され、国と国有企業が「運転席」に戻ってきた。「中国は引き続きグローバル展開を進めているが、選択的になっている」とアン・リー・ニューヨーク大学非常勤教授(経済学・ファイナンス)は指摘する。

 

  中国は世界的な影響力拡大や輸出市場開拓を探っており、習近平国家主席肝いりの現代版シルクロード構想「一帯一路」ではアジア全般と欧州の一部での港湾や道路、鉄道事業への大規模投資が伴うことになる。

  中国商務省によると、一帯一路関連諸国への投資は1-6月に計66億ドルと、対外投資全体の13.7%を占めた。前年同期と比べその割合が6ポイント上昇した。

原題:China Inc. Is Still Going Global But the Trophy Days Are Over(抜粋)

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