日本株は小反落、米金融正常化の悪影響や地政学リスク警戒-内需安い

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  • 東証1部売買代金は2兆円割れ、株価指数の日中値幅も小幅
  • 小売売上高など米経済指標が改善、米年内利上げ確率は上昇

16日の東京株式相場は小反落。米国の経済指標改善を受けて金利上昇による過剰流動性相場への悪影響が懸念されたほか、地政学的リスクも重しとなり、小売や建設、不動産中心に下げた。半面、陸運や医薬品などディフェンシブ関連は堅調で下値を支えた。

  TOPIXの終値は前日比0.21ポイント(0.01%)安の1616.00、日経平均株価は24円03銭(0.1%)安の1万9729円28銭。

  しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジストは、「米個人消費はしっかりしており年内の利上げが再度意識された。ただ、米金利上昇は世界株の上値を押さえてしまう」とみる。グローバルでの一段の株価上昇期待が薄れる中、「9月9日の北朝鮮の建国記念日までイベントが続くため、北朝鮮問題を楽観視できず、動けない」と述べた。  

  15日発表の米経済指標は、7月の小売売上高が前月比0.6%増、8月のニューヨーク連銀製造業景況指数が25.2となり、いずれも市場予想(0.3%増、10.0)を上回った。SMBC日興証券の圷正嗣チーフ株式ストラテジストは、「米経済指標は非常に強い。米経済はソフトパッチ(一時的な軟化局面)を明確に脱した」とみている。堅調な経済指標を受けて、15日の金利先物市場が織り込むことし12月までの利上げ確率は44%へ上昇。米国債相場は続落し、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.27%となった。

  SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、強すぎる米経済指標は米国株にとって必ずしも良くないとし、「米国のバランスシート縮小、欧州中央銀行(ECB)のテーパリング開始などで秋以降の世界株の行方が懸念される」と言う。

  きょうの東証1部売買代金は売買活況の目安とされる2兆円を割り込み、1カ月半ぶりの低水準。主要株価指数は前日終値を中心とする狭いレンジ取引に終始した。TOPIXの日中値幅は5.47と、8月に入ってからは7日(5.00)に次ぐ2番目の低さ。前週末までに四半期決算の発表はほぼ一巡、手掛かり材料が乏しくなったほか、来週から9月上旬にかけて朝鮮半島情勢を巡り21日から米韓合同軍事演習、25日に北朝鮮の先軍節、9月9日に北朝鮮の建国記念日とイベントが続くため、様子見姿勢が強い。

  東証1部33業種では、その他金融や建設、ゴム製品、小売、不動産、鉱業など18業種が下落。石油・石炭製品や空運、サービス、陸運、医薬品、非鉄金属など15業種が上昇した。個別では、今期利益計画が市場予想を下回ったドンキホーテホールディングス、モルガン・スタンレーMUFG証券が格下げしたカシオ計算機が下落。アナリストが格上げしたJSRとジャパンディスプレイは大幅高、JPモルガン証券が目標株価を上げたアルプス電気も上昇。

  • 東証1部の売買高は14億3539万株、売買代金は1兆8757億円。代金は6月26日以来の低水準
  • 上昇銘柄数は1034、下落は874
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