石油3社の4-6月期業績、業界再編を契機にした市況改善が追い風に

石油元売り大手3社の4-6月期の業績が14日出そろった。原油価格の下落で在庫評価損が発生したものの、在庫影響を除いた利益は大幅に増加。業界再編や各社製油所の能力削減により国内市況が改善し、販売の利ざや(マージン)が拡大した。

  業界最大手のJXホールディングスと東燃ゼネラル石油が4月に統合しJXTGホールディングスが誕生。同社の4-6月期の在庫評価影響除きの営業利益は前年同期と比べ倍増。出光興産の営業利益(在庫影響除き)も2.2倍となった。コスモエネルギーホールディングスの経常損益(同)は前年同期の45億円の赤字から黒字転換し、4-6月期としては過去最高の233億円となった。

  好調な決算を受けてJXTGの株価は14日までに3日続伸し3カ月ぶりの高値となった。コスモエネルギーHDの株価も前週末比11%上昇し2015年10月以来の1年10カ月ぶりの高値を付けた。

  JXTGの大田勝幸常務は9日の記者会見で、石油製品の供給過剰解消を目的としたエネルギー供給構造高度化法に従い、3月末までに各社が製油所の能力を削減したことに加え、石油販売シェアで約半分を握るJXTG設立後に数量を抑制して採算販売に徹した結果、ガソリンなどの販売マージンが改善したと話した。

  コスモエネルギーHDの滝健一常務執行役員は10日、業界再編により、これまで市況悪化の原因だった業者間転売市場で取引される石油製品の量が減り「正常に戻った」と述べた。外部要因によるマージンの改善に加え、自社製油所の稼働率を99.9%と高水準に維持できたことから、過去最高益を計上できたと説明。7月以降はマージンはさらに改善しており、通期(18年3月期)も「大きな環境変化がなければ計画値を上回るのでは」との見方を示した。

  出光の酒井則明経理部長は14日、4-6月期は各社の製油所装置の定期修理が重なったことも市況改善に寄与したと指摘。一方、昭和シェル石油は同社の原油処理能力の3分の1相当の装置が定期修理で2カ月間停止したため販売量が減り、減益となった。

17年4-6月期の石油元売り大手の業績
JXTG出光コスモ昭シェル
売上高22,25210%8,31723%5,62918%4,4446.1%
在庫影響除き利益7362.1倍4062.2倍233-48-35%
国内販売数量1,536-7.3%5251.0%4767.0%572-2.5%
国内販売シェア49%17%15%18%
*在庫影響除きの利益はJXTGと出光が営業利益、それ以外が経常利益(単位:億円。右側は前年同期との比較)。
*販売数量の単位は万キロリットル
*国内販売シェアの母数は4-6月期の4社の合計値(太陽石油などは含めず)

 

  

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