脆弱(ぜいじゃく)さを抱える北朝鮮経済にとって、国連安全保障理事会の新たな制裁決議は大きな痛手となる見通しだ。

  鉛や海産物などの輸出禁止や北朝鮮企業規制は、穀物被害をもたらしている干ばつとも重なっており、人道危機の懸念は一段と深まっている。国連食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)の推計によれば、北朝鮮では人口の40%が栄養失調になっており、3分の2が食料援助に頼っている。

  IHSマークイットのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、ラジブ・ビスワス氏(シンガポール在勤)は、制裁で北朝鮮の国内総生産(GDP)の33%を占める鉱業・製造業が圧迫され、今年は「深刻なリセッション(景気後退)」に陥ると予想する。
  
  しかし、人道危機や経済的痛手が見込まれる中でも、軍事力増強を体制生き残りの頼みの綱とする金正恩朝鮮労働党委員長は、核弾頭搭載ミサイル開発の野望を捨てない見通しだ。金委員長は違法な制裁回避手段を有するほか、同国の生命線である石油の規制は課されなかったからだ。

  ブッシュ(子)政権時代に国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長を務めたデニス・ワイルダー氏は、「北朝鮮の中国の燃料への依存は、中国が北朝鮮の首根っこを押さえていることになる」と指摘した。

原題:Sanctions a Blow to North Korea But Oil Cut Needed for Knock Out(抜粋)

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