トランプ米大統領は貿易を巡って中国と争うことが見かけより難しいことに気付き始めたかもしれない。

  米政府が知的財産権の侵害と認識する中国側の行為について、ホワイトハウスは中国への圧力を強めており、先週には中国製アルミ箔(はく)製品の輸入への相殺関税に向けた仮決定を下した。しかし、思い切った制裁措置の発動は裏目に出るリスクを伴い、的を絞った制裁では大した効果が出ない可能性もある。トランプ大統領は過去にも貿易面で厳しい措置を警告し、北朝鮮問題で中国の習近平国家主席の協力姿勢を理由に取り下げた経緯がある。

  対外経済貿易大学(北京)の中国WTO研究院の屠新泉院長は、「トランプ氏は多くのカードを有していない」と指摘。両国経済の結び付きがあまりにも密接なため、米国が中国からの反撃を引き起こすことなく特定の業種を標的にすることは難しいと述べた。

  トランプ大統領は14日、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表に対し、中国の知的財産(IP)戦略の調査を検討するよう指示する。政権当局者が12日に明らかにした。対象には中国で事業を展開する米企業に技術移転を強制する慣行が含まれる。中国がルールを無視したとの結論に至った場合、トランプ政権が取り得る選択肢には輸入関税などが含まれる。USTRが調査を実施する場合、最大1年を要する可能性がある。

  米ブルッキングス研究所のデービッド・ダラー上級研究員は、世界貿易の約3分の2においてバリューチェーンが生産過程で国境を越えている現状を指摘。「中国製品に45%の輸入関税を課すなどトランプ氏が大統領選で掲げた一見分かりやすい政策は、米国の多くの企業や労働者に加え、日本や韓国、台湾にも打撃を与える」と最近のリポートで記していた。

原題:Trump Trade Push on China Faces Challenges as IP Takes Spotlight(抜粋)

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