債券相場は上昇。長期金利は約1カ月半ぶりの水準に下げた。北朝鮮と米国との関係緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりに加え、需給の良好さを背景に買いが優勢だった。

  14日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前営業日の10日終値比9銭高の150円49銭で取引を開始。取引終盤にかけて150円51銭と6月下旬以来の高値を付け、10銭高の150円50銭で引けた。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「世界的な株価の下落やこのところの円高傾向を背景に、金利は下がり気味だ。主因は北朝鮮を巡る地政学的リスクだが、他の材料が乏しいからという面もある」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の347回債利回りは、日本相互証券が公表した10日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.05%と、6月28日以来の低水準で開始し、その後も同水準で推移した。

  新発20年物の161回債利回りは0.5bp低い0.555%と、6月22日以来の低水準で開始後、0.56%で推移した。新発30年物の55回債利回りは0.5bp低い0.84%と6月末以来の水準に下げた。

GDP統計

  内閣府が発表した2017年4ー6月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比1.0%増、年率換算で4.0%増と、市場予想を大幅に上回った。6四半期連続のプラス成長は、2005年1-3月期から06年4-6月期までの11年前の記録と並ぶ。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「目先は北朝鮮を巡る地政学的リスクが高まっており、きょうは円高一服だが株価は大幅に下げた。先行き不透明感からの金利低下要因が勝っている」と説明。「GDP速報値を受け、消費や設備投資などの寄与で市場予想より良かったが、過去の数字だし、物価面で大きな上昇が見込まれる状況ではない」と述べた。

  東京株式相場は4日続落。日経平均株価は1%安の1万9537円10銭で終了。北朝鮮問題に対するトランプ米大統領の強硬姿勢が懸念された。

  トランプ米大統領は11日、グアムへのミサイル発射計画を公表した北朝鮮に対し、「軍事的解決の準備が完全に整った」とツイッターに投稿し、一段と強硬な姿勢を示した。

トランプ米大統領のツイッターに関する記事はこちらをご覧下さい。

需給環境良好

  今週は日本銀行による国債買い入れオペが16、18日に実施される一方、利付国債入札は17日の5年債だけで、需給が引き締まりやすい。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「10年に関しては今週2回オペがあり、来月発行されるのも新発債なので需給的には来月中旬にかけて逼迫(ひっぱく)してくる」と指摘。ただ、「5年が重いのでそれを需給がどれくらいカバーできるか。需給の逼迫具合と5年金利があまり下がらないことの綱引き」と話した。

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