14日の東京株式相場は4日続落し、TOPIXは約2カ月ぶりの1600割れ。北朝鮮問題に対するトランプ米大統領の強硬姿勢が懸念され、日本の連休期間中の米国株下落や為替のドル安・円高が嫌気された。電機など輸出関連や情報・通信といった時価総額上位業種、米長期金利低下も響いた銀行など金融株中心に幅広く売られた。

  TOPIXの終値は前日比18.19ポイント(1.1%)安の1599.06、日経平均株価は192円64銭(1%)安の1万9537円10銭。TOPIXの下落率は5月18日以来で、6月16日以来の安値水準となった。日経平均は5月2日以来の安値。

  三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは「地政学的リスクはいつ何が起こるか全く分からないため投資家はみなリスクに身構えている。日本の景気や業績は良好だから日本株を買おうというように単純にはいかない」と指摘、目先は投機筋の円ショートポジションが残存されていることもあり、一段の円高や日本株下落リスクが意識されると言う。  

  日本の連休期間中の米国株相場は、10、11日の2日間でS&P500種株価指数が1.3%安。地政学的緊張を背景に10日の米国株が5月以来の大幅安となったことも影響し、シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は11日時点で15.51と、9日の11.11から急上昇した。北朝鮮が米国や同盟国に対して何らかの行動に出た場合、「起こり得ないと思っていたようなことが同国に起きるだろう」とトランプ米大統領が述べたことが懸念された。

  その後もトランプ米大統領は北朝鮮に対して強い言葉を投げかけ続けている。12日にはマクロン仏大統領との会談で、「外交的、経済的、軍事上のあらゆる措置を適用する用意がある」と指摘。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「米大統領がツイッターで強硬な発言を繰り返しているので、北朝鮮もそれに反応し、言葉上は差し迫った雰囲気になってしまっている」と言う。  

  為替市場ではドル売り・円買いが活発化、11日には一時108円70銭台と約4カ月ぶりの円高水準となった。米労働省が11日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%の上昇と、市場予想である0.2%上昇を下回った。米国債市場で10年債利回りは11日時点で2.19%に低下し、金利先物市場が織り込むことし12月までの利上げ確率も26%へ低下した。

  また、中国経済の先行き不安も高まった。国家統計局が14日午前に発表した7月の工業生産は前年同月比6.4%増と市場予想7.1%増を下回ったほか、1-7月の都市部固定資産投資は同8.3%増と市場予想8.6%増から下振れた。三井住友信託銀の瀬良氏は「秋の党大会を前に息切れした印象」との受け止めで、税制改革に不透明感が漂う米国も合わせ、「米中の経済減速リスクを考えると、足元の日本企業の好業績の持続性には懐疑的」としている。

  一方、内閣府が14日に発表した4ー6月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は年率4%増となり、市場予想2.5%増を上回った。6期連続のプラス成長で、リーマン・ショック前の2006年4ー6月期以来、11年ぶりの連続プラス成長記録となった。GDPの上振れもあり、日経平均は終値で1万9500円台を維持、米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物(円建て)の11日清算値1万9395円に比べ、下げが限定された。

  東証1部33業種は鉄鋼や金属製品、精密機器、非鉄金属、ガラス・土石製品、その他製品、銀行、機械、保険など30業種が下落。石油・石炭製品、倉庫・運輸関連、パルプ・紙の3業種は上昇。上昇率1位の石油・石炭製品では決算評価やアナリストの格上げが重なった。
  
  売買代金上位では第1四半期営業利益がほぼ半減したVテクノが大幅安、JFEホールディングスや新日鉄住金も安い。半面、四半期好決算のリクルートホールディングスやネクソンが大幅高、防衛関連の石川製作所は急騰。

  • 東証1部の売買高は19億5911万株、売買代金は2兆5731億円
  • 上昇銘柄数は342、下落は1629
    ドル・円と日経平均株価の推移
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