8月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル続落、米CPIが予想下回り-値動き不安定

  11日のニューヨーク外国為替市場ではドルが続落。7月の米消費者物価指数(CPI)の伸びがエコノミスト予想を下回ったことで米利上げ期待の修正が進み、朝方に大きく下げた。その後もかなり荒い値動きとなった。
  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.3%低下。朝方の下落を埋める場面もあったが、午後には週初来最低の水準まで下げた。ドルは対円で前日比変わらずの1ドル=109円20銭。ユーロはドルに対し0.4%上げて1ユーロ=1.1822ドル。

  北朝鮮の核開発への野望を巡り米朝間で攻撃的な発言が交わされる中、投資家は経済指標や利上げ確率の変化がもたらす影響の評価に努めた。北朝鮮に関連し、ロシアは衝突回避のためあらゆる手段を尽くすと同国のラブロフ外相が述べたことを受け、円とスイス・フランはドルに対する上げ幅を縮小した。

  朝方発表された7月の米CPIは前月比0.1%上昇(市場予想0.2%上昇)、前年同月比では1.7%上昇(市場予想は1.8%上昇)となった。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はこの日、インフレ率が当局目標を下回り続けているため、当局には利上げを待つ余裕があるとの見方を示した。またダラス連銀のカプラン総裁は、インフレの動向を見ながら辛抱強く待つ姿勢を示した。

  金融市場に織り込まれた年内利上げの確率は40%未満に低下した。

  ドルは対円で108円台まで下げた後、米国債利回りの急上昇を背景に109円40銭まで上昇するなど不安定な動きを示したが、結局前日比でほぼ変わらずとなった。
原題:Dollar Ending Week Near Low After CPI; Haven Currencies Retreat(抜粋)

◎米国株:上昇、ボラティリティーが低下-緊張緩和の兆候

  11日の米国株は上昇。ボラティリティーを示す指数は低下した。ここ数日間、米国と北朝鮮の間で好戦的な言葉が交わされてきたが、市場では落ち着きを取り戻す兆候が見られた。

  S&P500種株価指数は0.1%上昇して2441.32。ダウ工業株30種平均は14.31ドル(0.1%)高の21858.32ドル。

  朝方発表された7月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る伸びとなり、米金融政策当局は利上げ軌道を維持するのは困難との見方が広がった。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は3.3%低下。前日は44%急伸していた。

  アマゾン・ドット・コムは上昇。バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチ、ゴールドマン・サックスおよびJPモルガン・チェースに対し、8月14日の東部時間午前10時から午後5時の間で、債券投資家向け説明会を手配するよう依頼した。無担保優先債の発行などを予定しているという。公に発言する権限がないとして匿名を希望した関係者からの情報で明らかになった。

  「スナップチャット」を運営するスナップは急落。4ー6月(第2四半期)の利用者数が市場見通しに及ばなかった。フェイスブックとの競争が激化し、今年3月に上場したばかりのスナップの将来に対する懸念が広がった。
原題:U.S. Stocks Gain, Volatility Slips as Tension Ebbs: Markets Wrap(抜粋)
Snap Misses Growth Estimates as Facebook Copying Takes Toll (2)(抜粋)
Snap Price Targets Slashed as User Growth Slows: Street Wrap(抜粋)
Amazon.com Hires Banks for Fixed Income Investor Calls Aug. 14(抜粋)

◎米国債:30年債が下落、利回り差拡大-CPI統計受け

  11日の米国債市場では30年債が下落した一方、期間が10年以下の国債は上昇した。軟調な消費者物価指数(CPI)統計に反応し、イールドカープはスティープ化した。来週に投資適格級の社債発行が見込まれることもあり、中・長期債の上値は抑えられた。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.19%。5年債利回りは3bp下げて1.74%

  30年債利回りは1bp上げて2.79%。5年債と30年債の利回り差は104.1bpに拡大した。

  7月の米消費者物価指数(CPI)は前月から上昇したが、伸びは市場予想を下回った。CPIは前月比0.1%上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミ スト予想の中央値は0.2%上昇だった。食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.1%上昇。市場予想は0.2%上昇だった。

  ただCPIを受けた中期債の上昇も急速に勢いを失う場面があった。来週の社債発行に注目が移り、レートロックの売りとみられる動きがあった。
原題:Treasuries Mixed, Curve Steepens as Long-End Lags After Soft CPI(抜粋)
原題:U.S. Inflation Remains Subdued as Core Index Lags Forecasts (1)(抜粋)
原題:USTs Erase Gains, Steepen, on IG Issuance Outlook, Covering(抜粋)

◎NY金:続伸、6月初旬以来の高値-米インフレ抑制で

  11日の金相場は続伸し、9週間ぶりの高値。米国の消費者物価の伸びが予想を下回り、金融当局の再利上げに対する論拠は弱まった。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.3%高の1オンス=1294.00ドルで終了。中心限月としては6月6日以来の高値で引けた。一時は0.6%上昇し1298.10を付けた。週間ベースでは2.3%の上昇となった。

  米労務省が11日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミ スト予想の中央値は0.2%上昇だった。

  これで「今年の追加利上げはないだろうとトレーダーらは考えている」とシンク・マーケッツUKのチーフマーケットアナリスト、ナイーム・アスラム氏(ロンドン在勤)は述べた。
原題:Gold Surges to Highest Since Early June on Tame U.S. Inflation(抜粋)

◎NY原油:反発、週間では下げ-IEAが需要見通し下方修正

  11日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は反発。ただ、石油輸出国機構(OPEC)主導の減産の順守率が低く、需要見通しが暗くなっているため、週間では1カ月ぶりの大幅な下げとなった。

  国際エネルギー機関(IEA)は今年と来年のOPEC産原油需要見通しを下方修正。減産実施に懐疑的な見方があると指摘した。一方、サウジアラビアとイラクは減産への取り組みを強化することで合意した。

  スコシアバンク(トロント)の商品ストラテジスト、マイケル・レーベン氏は電話インタビューで、「IEAの最新リポートを考慮すると、需給均衡はさらに遅れているようで、相場にとって良いことではない」と指摘。需給の再均衡が起こっていると市場が確信するには、OPECの生産が本当に減少するか、減産合意の順守状況が改善する必要があるとの見解を示した。  

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日比23セント(0.5%)高の1バレル=48.82ドルで終了した。週間では1.5%安。ロンドンICEの北海ブレント10月限は前日比20セント上げて52.10ドル。
原題:Oil Caps Weekly Drop Amid Shaky OPEC Compliance, Weaker Demand(抜粋)

◎欧州株:3日続落、週間で9カ月ぶり大幅安-地政学リスクで

  11日の欧州株式相場は3営業日続落。米国と北朝鮮の緊張でボラティリティが急激に高まり、指標のストックス欧州600指数は週間ベースで昨年11月以来の大幅安となった。

  ストックス600指数は前日比1%安の372.14と、2月以来の安値で引けた。トランプ米大統領が北朝鮮に対する警告を強めたことを背景に、3日間の下落率は2.8%となった。ユーロ・ストックス50指数の急落に備えた保険の役割をするオプションの指標であるVStoxx指数は、2.1%上昇し4月以来の高水準に達した。

  ストックス600指数を構成する業種別19指数はほぼ全面安。このうち基礎資源は2.6%下落。鉄鉱石と鉄鋼相場の下落を背景に、英豪系リオ・ティントとスイスの資源商社グレンコアが大きく下げた。製鉄会社アルセロール・ミタルは4.5%値下がり。

  英家電販売のディクソンズ・カーフォンは7.2%急落し、2013年10月以来の安値を付けた。モバイル市場を巡る懸念から、アナリストらは同銘柄の売りを推奨した。  
原題:European Stocks Drop Most in 9 Months This Week on Geopolitics(抜粋)

◎欧州債:ドイツ10年債利回り0.4%下回る-北朝鮮情勢に注目

  11日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。10年物利回りは3bp低下し0.4%を下回った。トランプ米大統領が北朝鮮に対する警告を強めたことが注目され、これが支援要因となった。

  広範なリスクオフの動きというよりは、寄り付きから欧州信用スプレッドが拡大したことやドイツ国債がスワップに対しアウトパフォームとなったことがリスクヘッジ需要を示唆。地政学的要因で週末のイベントリスクが増幅される可能性もある。

  ロンドンとニューヨークのトレーダーらはポジションを週末に持ち越すことに消極的だったとも指摘。
原題:Bunds Remain Supported Into Weekend; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

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