8月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、米朝間の緊張背景に円は全面高

  10日のニューヨーク外国為替市場ではドルが朝方の上げを維持できず下落。7月の米生産者物価指数(PPI)が予想外に低下したことと米10年債利回りの低下が重しとなった。一方、円は安全逃避需要の高まりを受け、主要10通貨の全てに対し上昇した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%低下。ドルは対円で0.8%安の1ドル=109円20銭と日中安値付近。ユーロはドルに対し0.1%上げて1ユーロ=1.1772ドル。

  米労働省が発表した7月のPPIは、市場予想に反して前月比マイナス、前年同月比の上昇率もエコノミスト予想を下回った。トレーダーが11日発表の消費者物価指数(CPI)待ちの姿勢をとったことで薄商いの中、このところの不安定な値動きが続いた。北朝鮮情勢の緊迫化が引き続き警戒される中、安全逃避先としての円と米国債の買いが活発化した。

  ドルは円に対し、引けにかけて下げ幅を拡大。109円50銭近辺に控えていた指し値と損切りのドル売り注文が発動され、6月上旬以来の安値に下がった。

  ユーロはドルに対して午前に1ユーロ=1.1704ドルの日中安値をつけた後、前日比小幅高まで持ち直した。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁のジャクソンホールでの会合出席を控えて投資家はユーロ・クロスの持ち高を調整しており、ユーロ・ドル相場はこうしたクロス相場の動向に左右されやすい状況が続いている。

  その他の通貨ではニュージーランド・ドルが主要10通貨に対し下落。ニュージーランド中央銀行が予想通り政策金利を据え置いたことから守勢が続いた。NZドルを弱くするため中銀が外為市場に介入するという選択肢が引き続き残されているとの金融当局者発言が材料視された。
原題:Dollar Ends 4-Day Win Streak; Yen Surges Despite Korea Tension(抜粋)

◎米国株:続落、5月以来の大幅安-地政学的リスクに揺れる

  10日の米国株式相場は3日続落。主要株価指数は5月以来の大幅安となった。地政学的緊張を背景に世界的に金融市場は動揺した。過去数カ月にわたり相場上昇を持ち回りで主導してきたテクノロジーとエネルギー、金融はいずれも下落。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は4月以来の水準に急上昇した。

  S&P500種株価指数は1.5%安の2438.21。ダウ工業株30種平均は204.69ドル(0.9%)下げて21844.01ドル。ナスダック総合指数は2.1%下落。

  グラディエント・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、マリアン・モンターニュ氏は「市場は全般にかなり神経質になっており、リスクに関して非常に警戒を強めている」と指摘。「決算が予想を上回らないと、その銘柄は売りを浴びる。地政学リスクのために資金が再投資されなくなっている」と述べた。
  
  トランプ米大統領は北朝鮮が米国や同盟国に対して「何らかの行動に出た場合」、「起こり得ないと思っていたようなことが同国に起きるだろう」と述べ、あらためて金体制に圧力をかけた。S&P500種は過去15営業日にわたり、終値ベースで0.3%以内の小動きが続いていた。VIXはこの日45%急伸して16.12と、終値ではトランプ氏が米大統領に就任して以降の最高水準となった。

  S&P500種の業種別指数では情報技術や金融、一般消費財・サービス株の下げがきつかった。一方、公益事業は値上がりした。

  メーシーズは10%安。コールズも大幅安となり、百貨店業界が数年来の不振から抜け出せずにいるとの懸念が再燃した。

  7月の米生産者物価指数(PPI)は予想外に前月比で低下し、ほぼ1年ぶりのマイナスとなった。PPIは前月比0.1%低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%の上昇だった。前月は0.1%上昇。

  11日には7月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。
原題:U.S. Stocks Need a New Leader as Tech, Energy, Financials Sink(抜粋)
Stocks Drop Most Since May, Bonds Rally on Tension: Markets Wrap(抜粋)

◎米国債:上昇、株式相場の下落や堅調な30年債入札で

  10日の米国債相場は上昇。トランプ大統領の北朝鮮に対する強い警告を受けた米朝関係を巡る地政学的緊張がこの日も続いた。金融市場ではリスクオフの地合いが強まり、株式相場の下落を手掛かりに米国債は午前中から上げた。午後に入ってからも質への逃避の動きが続いた。

  また午後に実施された30年債入札は堅調な結果となり、長期債は上げを拡大。5年債と30年債の利回り差は入札後に縮小した。イールドカーブはブルフラット化となった。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.20%。30年債利回りは5bp下げて2.77%。

  5年債と30年債の利回り差は100bpに縮小した。

  米財務省が実施した30年債入札(発行額150億ドル)の結果は、最高落札利回りが2.818%となった。前回(7月13日)は2.936%だった。投資家の需要を測る応札倍率は2.32倍。前回は2.31倍だった。

  また落札全体に占める間接入札者の比率は66.8%と、過去2番目の高さとなった。
原題:UST Haven Bid Maintained, Curve Flattens After Solid 30Y Auction(抜粋)
原題:Treasury Safe-Haven Bid Maintained Ahead of 30Y Auction(抜粋)
原題:USTs Advance as Stocks Slide, Futures Volumes Rise to Highs(抜粋)
原題:Stocks Drop Most Since May, Bonds Rally on Tension: Markets Wrap(抜粋)

◎NY金:上昇、北朝鮮情勢不安で逃避の買い強まる

  10日のニューヨーク金相場は上昇。トランプ米大統領と北朝鮮の間で繰り広げられる激しい言葉の応酬やドルの下落を背景に、安全資産の買いが強まった。金は年初来の上昇率が米国株を上回っている。

  ニューヨーク時間午後2時56分現在、金スポット相場は前日比0.6%高の1オンス=1285.29ドル。一時は1287.92ドルと、6月8日以来の高値をつけた。年初からは12%上昇と、値上がり率はS&P500種株価指数を上回っている。

  サクソ銀行の商品戦略責任者、オーレ・ハンセン氏は「金が1295ドル突破にまた失敗するリスクは残る」と電子メールで指摘。「ただし上抜ければ、金へのエクスポージャーが相対的に低いファンドは買いを迫られるだろう」と述べた。

  銀スポットは0.9%高の17.0985ドル。プラチナは0.7%、パラジウムは1.1%それぞれ上昇した。
原題:Gold Beats U.S. Stocks as North Korea Worries Drive Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:反落、50ドル台維持できず下げに転じる

  10日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は反落。節目の50ドルを上回る場面があったものの、同水準を維持できなかったことから売りが優勢になり、約2週間ぶりの安値に下げた。

  プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニア市場アナリスト、フィル・フリン氏は電話取材に対し、「市場は神経質になっている。50ドルは心理的に重要な水準で、上値を追い続けるには米国の生産減少と強い需要を示す証拠がもう少し必要なのかもしれない」と指摘した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日比97セント(1.96%)安の1バレル=48.59ドルで終了した。ロンドンICEの北海ブレント10月限は80セント下げて51.90ドル。
原題:Oil Drops After Failure to Hold $50 Even as Stockpiles Shrink(抜粋)

◎欧州株:下落、3月以来の安値-北朝鮮巡る緊張続く

  10日の欧州株式相場は続落し、指標のストックス欧州600指数は3月以来の安値。米国と北朝鮮の緊張が続いていることが背景にある。

  ストックス600指数は前日比1%安の376.05で終了。前日の同指数は北朝鮮が「炎と怒り」に見舞われるとトランプ米大統領が警告したことを受け、0.7%下げていた。ユーロ・ストックス50指数の急落に備えた保険の役割をするオプションの指標であるVStoxx指数はこの日26%上昇。前日の上昇率は17%だった。

  韓国と日本はこの日、北朝鮮が米領グアム島に向けてミサイルを発射するとの挑発を実行に移せば、強く対応すると警告した。

  ストックス600指数を構成する業種別19指数は全て下落。銀行株は3週間余りで最もきつい下げとなった。

  素材株は続落し、2営業日の下落率は2.1%に広がった。スイスの資源商社グレンコアは2.5%値下がり。1-6月(上期)利益が予想に届かなかったことが嫌気された。
原題:Europe Stocks Drop to Lowest Since March on North Korea Concern(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が上昇、株安で中核国債のブルフラット化進む

  10日の欧州債市場では株安を背景に中核国の長期債が買われ、ブルフラット化が進んだ。英国の株式市場では、多くの銘柄が配当落ちで下げ始め、その後の米国株安もあって下げを加速した。

  ドイツ国債先物も上昇。出来高はここ最近の平均にとどまった。トレーダーによると、現物市場の取引は薄かった。

  ドイツ10年債利回りは0.40%、午後には日中の低水準を付けた。
原題:Bunds Gain as Stock Losses Continue; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

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