東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=110円前後。北朝鮮情勢の緊迫化が重しとなる半面、ニューヨーク連銀総裁による会見などを控えて下値も限られ、もみ合う展開となった。

  10日午後3時37分現在のドル・円は前日比0.1%安の109円97銭。朝方に109円90銭まで下げた後、3連休を前に、五・十日の仲値にかけて水準を切り上げ、一時110円18銭まで上昇する場面があった。午後は110円を挟んで小動き。

  ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、「北朝鮮に関する報道を受けて円高傾向が続いている。スイスフランも買われ、安全資産へ向かう動き」と説明。もっとも「ドル・円は109円台に入ると買いが入るイメージが強い。109円50銭程度がいったん良い下値支持線になる。一方、上値めどは111円ちょうど。111円まで上がれば売りが強く出ると思う」と語った。

  朝鮮人民軍戦略軍の金洛兼司令官は10日、朝鮮中央通信(KCNA)を通じて声明を発表し、北朝鮮が「中距離戦略弾道ミサイルの火星12を同時に4発発射し、米領グアム島への包囲射撃を行う計画を真剣に検討している」と述べた。

  一方、ティラーソン米国務長官は9日、北朝鮮に関して差し迫った脅威を否定し、トランプ米大統領が前日に発した「炎と怒り」警告による懸念を和らげた。

  三井住友銀行の山下えつ子チーフエコノミスト(ニューヨーク在勤)は、「今すぐに武力行使ということにならなさそうだということで市場も落ち着きを取り戻し様子見」と語った。

  10日の米国ではニューヨーク連銀のダドリー総裁が会見を行うほか、7月の生産者物価指数(PPI)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想によると前月比0.1%上昇が見込まれている。6月は0.1%上昇。

  三井住友銀行市場営業統括部副部長でヘッド・オブ・リサーチの山口曜一郎氏は、「欧米は緩やかな金融政策の正常化方向ないしは緩和縮小の方向。ひるがえって日本は緩和を継続せざるを得ない状況」と分析。ドル・円について「基本的にはまだアップサイドをみており、そんなにどんどん円高が進むとはみていない」と述べた。

  ニュージーランドドルが対米ドルで下落。0.9%安の1NZドル=0.7275米ドル。ニュージーランド準備銀行(中銀)が10日、政策金利を1.75%に据え置くと発表し、0.7371米ドルまで上昇。その後、ウィーラー総裁が為替レートの下落を望むと発言したほか、マクダーモット総裁補佐も、市場介入への第一歩としてNZドルに関する文言を変更したと発言し、0.7262米ドルまで下落、7月13日以来の安値を付けた。

  ユーロ・ドル相場は0.2%安の1ユーロ=1.1732ドル。一時1.1727ドルまでユーロ安・ドル高に振れた。ステート・ストリート銀の若林氏は、「あっさり1.2ドルまで行くかと思っていたが、ドル高・ユーロ安。米雇用統計が良かったので、いったんユーロロング(買い建て)の利食い売りの動き」と分析。一方、「1.16ドル台に落ちれば、押し目買いが入ると思う。ユーロには強気」とも語った。

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