10日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  電通(4324):前日比6.1%安の4855円。2017年12月期の営業利益計画を1515億円から1365億円に下方修正した。消費財の大手広告主中心にマーケティング予算の見直しが顕著、海外中心に売上総利益の伸び率が想定を下回ることから10%増益が一転0.9%減益になる見込み。ゴールドマン・サックス証券は、下方修正は想定線だが海外のマイナス成長は想定していなかったと指摘。会社計画達成には下期に海外でプラス6%程度の成長が必要で難易度は高いとみる。

  DOWAホールディングス(5714):8.2%安の830円。4-6月期(第1四半期)経常利益は前年同期比34%増の90億8400万円だったが、SMBC日興証券では大幅増益の背景は前期に計上されていた探鉱費用の一巡が大きいと指摘。期初計画以上に収益を伸ばしている同業他社と比較して見劣りした内容との見方を示した。

  長谷工コーポレーション(1808):5%安の1330円。第1四半期決算説明会を受けてクレディ・スイス証券は、19年3月期に完成工事粗利益率が悪化する可能性が高まってきたため、ややネガティブな印象と指摘した。一部のマンションデベロッパーは建築コストの低下を同社に要請、今後着工する案件の粗利益率は低下傾向にあると会社側が説明したという。第1四半期の連結ベースの完成工事総利益率は19.2%だった。

  資生堂(4911):14%高の4420円。高価格帯のブランドがグローバルで好調を維持しているとして17年12月期の営業利益計画を455億円から560億円に9日上方修正した。市場予想は515億円だった。年間配当予想を20円から25円に引き上げた。ジェフリーズ証券は、6月に発売した「エリクシール」のしわ改善クリームが好調、猛暑による夏向け商品の売り上げ上振れがポジティブと評価。投資判断「買い」を強調した。

  三井金属(5706):11%高の550円。4ー6月期の経常利益は前年同期比30%増の75億8800万円だったと9日に発表。4ー9月期(上期)経常利益計画は115億円から150億円に上方修正した。キャリア付極薄銅箔や排ガス浄化触媒などの需要が堅調に推移していることを反映。みずほ証券は、第1四半期経常利益が同証事前予想の45億円から大幅に上振れポジティブサプライズと評価した。

  サカタインクス(4633):12%安の1799円。17年12月期の営業利益計画を105億円から96億円に下方修正すると10日午後に発表。一時的な需要減少による拡販の遅れや拡販に向けた先行コストや原材料費がかさみ、前期比3.8%の増益予想から一転、5.1%の減益となる。同時に発表した1-6月(上期)営業利益は前年同期比7.9%減の45億5800万円と、従来計画の50億5000万円を下回った。
   
  マブチモーター(6592):9.1%安の5320円。1-6月期の営業利益は前年同期比3.9%増の124億円だったと10日午後に発表。第1四半期決算を用いてブルームバーグ・ニュースが4-6月期の営業利益を算出したところ、前年同期比10%減の54億1200万円となった。アナリスト4人の予想平均は63億9500万円、最も低い予想値でも61億円と増益予想だったため、第2四半期の減益決算が嫌気されたようだ。

  千代田化工建設(6366):11%安の584円。SMBC日興証券は9日午後発表の4-6月期決算について、通期計画に対する進捗(しんちょく)が低くネガティブとした。懸案のキャメロンLNGプロジェクトのコスト見直しと一部海外案件の引当金繰り入れが低進捗の主な要因と指摘。顧客とコスト負担の交渉結果次第でさらに追加費用が発生する可能性があり、今後も注視が必要とした。

  ジャパンディスプレイ(6740):7.7%安の180円。4-6月期の純損失は315億円となり、前年同期の118億円から赤字が拡大した。3700人の人員削減などの構造改革案と中期経営計画も発表し、能美工場は12月に生産停止、構造改革で今期に特損1700億円計上する方針を示した。SMBC日興証券では4-6月期は純損失が大きく1株当たり純資産(BPS)毀損(きそん)の加速はネガティブと指摘。さらに、中期計画は対処療法にとどまり、不透明感が高まる、取り得る出口戦略は一段と狭まっている印象とみる。

  クックパッド(2193):9.9%安の805円。4ー6月(第2四半期)営業利益は前年同期比15%減の17億3000万円だった。国内プレミアム会員数は193.8万人となり、ピークだった前四半期の195.8万人から減少した。SMBC日興証券は、広告に加え会員事業も鈍化し、ネガティブと指摘。第1四半期に30%増だったdグルメ会員収益(レベニューシェア収益)が8%減と、月額費の案分率低下で鈍化した点などを要因に挙げた。

  日清食品ホールディングス(2897):5%安の6700円。4ー6月期の営業利益は前年同期比4.3%増の71億2100万円だったが、クレディ・スイス証券は、市場環境悪化のブラジルが4%減収、新工場稼働に伴う償却費増で3四半期連続の2桁減益だった中国など海外の弱さが気掛かりとの見方を示した。第2四半期以降に回復するかどうか不透明で、強気スタンスにはなりづらいとしている。

  東洋エンジニアリング(6330):5%安の269円。4-6月期の営業利益は前年同期比83%減の5億9400万円だったと10日午前に発表。地域別売上高では、国内が約4割伸びる一方、ロシアや中央アジアでは8割を超える減少となった。商品別では石油化学や石油・ガスが減収。据え置いた通期計画(65億円)に対する進捗率は9.1%。

  東洋ゴム工業(5105):2.2%安の2181円。北米市場を中心とする販売数量拡大や生産品種構成の最適化などを理由に10日午前に17年12月期営業利益計画を470億円から500億円に上方修正したものの、市場予想527億円には届かなかった。決算発表後に売りがかさみ大幅安となった。

  ディー・エヌ・エー(2432):4.4%安の2347円。4-6月期の営業利益は前年同期比13%減の63億9600万円だったと9日に発表。4-9月(上期)は同6.7%減の142億円見込む。ゴールドマン・サックス証券は、ゲームの売上高がさえない、営業利益は一過性要因を差し戻すと72億円でも同証想定(83億円)に対して下振れと分析。新作が想定ほど貢献していない点を考慮し、18年3月期営業利益予想を350億円から275億円に減額し、目標株価を2700円から2500円に引き下げた。

  トレンドマイクロ(4704):1.5%安の5370円。9日発表の1ー6月期(上期)営業利益は前年同期比1.9%増の163億円。費用面で人件費や自社株連動型報酬の増加が響いた。375億円で据え置いた通期計画に対する進捗率は43%。ジェフリーズ証券は通期計画の未達リスクがくすぶると指摘。市場シェア拡大に向けたマーケティング費用の増加をネガティブ視しないが、計画達成には営業利益とバランスを取ることが必要との見方も示した。

  住友不動産(8830):2.4%高の3395円。4-6月期の営業利益は前年同期比18%増の632億円だった。不動産賃貸がけん引、不動産販売では分譲マンションの売り上げ計上が高水準となった。ゴールドマン・サックス証券は、同証事前予想482億円を想定以上に上振れた、18年3月通期計画に対する進ちょく率が32%と強含みのため高い評価は続きそうとみる。

  アルバック(6728):8.8%高の6060円。18年6月期の営業利益は前期比5.2%増の310億円の見通しと発表。FPD(フラットパネルディスプレイ)・PV(太陽光発電)製造装置などで増収を見込む。ゴールドマン・サックス証券は、慎重な計画を出す同社による最高益更新の今期営業増益計画は市場に安心感を与える内容でポジティブと評価。屋台骨のFPDの今期受注見通しは前期比3%増と高水準が持続、高収益事業の半導体・電子部品受注見通しは13%増でFPDに続く業績ドライバーとなるだろうと分析した。

  リゾートトラスト(4681):12%高の2240円。4-6月期の営業利益は前年同期比2.2倍の16億1600万円だった。3月開業の「エクシブ湯河原離宮」が寄与、「ラグーナベイコート倶楽部」の会員権販売も好調だった。野村証券は、同証券予想に対して各シリーズの契約高がバランス良く上振れたと指摘。粗利益率の高い既存ホテルの契約高が前四半期から36億円増加したのは安心感があると評価した。目標株価を2500円から2600円に引き上げた。

  マツモトキヨシホールディングス(3088):9.5%高の7500円。4-6月期の営業利益は前年同期比15%増の82億1300万円となり、市場予想74億7300万円を上回った。SMBC日興証券では、従来から業績をけん引してきた地域事業会社の営業利益率改善だけでなく、マツモトキヨシ単体が大幅増益となった点が今回の決算の特徴と評価。プライベートブランド(自社企画商品)拡販やインバウンド売り上げの回復、化粧品好調は第2四半期以降も続くと予想した。

  太平洋セメント(5233):5.9%高の428円。9日発表の4-6月期の営業利益は前年同期比69%増の88億4800万円となり、市場予想75億3300万円を上回った。クレディ・スイス証券は、セメント事業で海外だけでなく国内でも営業増益を達成しており非常にポジティブと評価。国内セメント販売数量もシェアが高い関東一区が主に寄与し予想を超過、今後も数量の増加傾向は続くと予想した。

  トランザス(6696):9日に東証マザーズに新規上場し、上場2日目に付けた初値は公開価格(1300円)の2.7倍に相当する3510円だった。同社はウェアラブル端末の「Cygnus(シグナス)」、IP放送・VODなどネットワーク映像を再生するSTB(Set Top Box)といったIoT端末や機器装置の製造を手掛けている。終値は3630円。

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