突然揺らいだ取引、香港ドル急反発に投資家動揺-不透明感強まる

  • 対米ドルで下落が続いてきた香港ドルが9日に急上昇
  • キャリー取引を行っていた投資家は香港ドルの一段安を予想してきた

世界で最も確実だった通貨取引の一つが突然、揺らいだ。

  7カ月連続で安定したリターンを生み出してきた香港ドルのキャリートレードが9日につまずいた。香港ドルが対米ドルで急反発し、2016年2月以来の値上がり率となったためだ。0.1%の上昇は世界的にはごくわずかかもしれないが、香港ドルの下落を見越したポジションを取り、香港で資金を借りて利回りがより高い米資産に投資してきた投資家は動揺した。

  このキャリートレードは今年、一貫してリターンを挙げられる取引だった。米金利が上昇する一方で、香港の金利が低水準にとどまっていることが背景にある。しかし米ドルとのペッグ(連動)制が採用されている香港ドルも、香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)が設定する許容変動幅の下限に近づく中で変動が大きくなりつつある。

  HKMAが為替基金証券の増発計画を発表したことが、9日の香港ドル急上昇につながった。HKMAは香港ドルとは無関係の決定だと説明したが、一部のトレーダーは金融システムから資金を吸収し、金利を高めに誘導する狙いが含まれていると読んだ。

  クレディ・アグリコルCIBのストラテジスト、ゲーリー・ヤウ氏(香港在勤)は「香港ドルのスポット相場がこれまでにない水準に近づく中で、市場では異なる見方が数多く示され、不透明感が強まっている。それが急激な変動を引き起こし、通常よりボラティリティーを高めた」と述べた。

  HKMAの発表前、香港ドルは1米ドル=7.8278香港ドルに下落していたが、現地時間9日午後7時半(日本時間同8時半)には7.8164香港ドルに上昇した。

原題:Hong Kong’s Crowded Currency Trade Enters Dangerous Territory(抜粋)

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