10日の東京株式相場は小幅に3日続落。北朝鮮情勢など地政学リスクに対する根強い警戒や米国の長期金利低下が嫌気され、銀行や保険など金融株が下げた。6月の国内機械受注が下振れ、機械株も安い。半面、資生堂や住友不動産など好決算銘柄は買われ、株価指数を下支えした。

  TOPIXの終値は前日比0.65ポイント(0.04%)安の1617.25、日経平均株価は8円97銭(0.04%)安の1万9729円74銭。両指数とも反発して始まったが、勢いは続かなかった。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、「北朝鮮からのニュースが続いている。さらに、今後1カ月程度の為替を左右しそうな米国CPIの発表が日本の連休中にあり、結果を待とうという心理がある」と話した。

東証内
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Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  朝鮮人民軍の金洛兼司令官は10日、朝鮮中央通信を通じ声明を発表し、北朝鮮が「中距離戦略弾道ミサイルの火星12を同時に4発発射し、米領グアム島への包囲攻撃を行う計画を真剣に検討している」と述べた。質への逃避で9日の米国債は上昇、10年債利回りは一時6月28日以来の低水準を付けた。

  きょうのアジア株は総じて軟調に推移し、為替市場ではドル・円が1ドル=110円近辺で円が高止まりした。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「北朝鮮はなお挑発しており、再びリスクが高まれば、企業の想定レートに近い現状の1ドル=110円から円高へ進む恐れがあり、警戒が続く」とみる。

  国内が祝日休場の11日は、米国で消費者物価指数(CPI)が発表される。しんきんアセットの藤原氏は、「今回のCPIは重要で、予想通り0.2%上昇なら影響はないが、0.1%上昇なら年内利上げが遠のき、為替は1ドル=109ー108円台、日経平均は1万9500円とボックスレンジの下限まで変動する可能性がある」と予想。逆に0.3%上昇なら為替は112円、日経平均2万円もあり得るとし、「地政学リスクのニュースが出たときは絶好の買い場との認識があっても、買いを手控える心理がある」と話していた。

  もっとも、前日のTOPIX、日経平均の下落率は5月18日以来の大きさだった上、対北朝鮮でティラーソン米国務長官の冷静な発言もあり、下げ幅は限定的。丸三証券エクイティ部の川口晴規株式営業課長は、「ファンダメンタルズは好調。4ー9月決算で上方修正が相次ぐ観測が高まっている」とした。TOPIXの押し上げ寄与度上位には業績計画を上方修正した資生堂や三井金属、4ー6月期決算は想定以上とゴールドマン・サックス証券が評価した住友不動産が並んだ。

  東証1部33業種は保険や証券・商品先物取引、銀行、機械、建設、海運、情報・通信など19業種が下落。機械は、内閣府が朝方発表した6月の機械受注が前月比1.9%減と市場予想(3.6%増)を下回ったことを受けた。石油・石炭製品や非鉄金属、倉庫・運輸、ゴム製品、化学、小売など14業種は上昇。売買代金上位では任天堂や電通、すかいらーくが安い半面、アルバックや太平洋セメント、大日本印刷、石川製作所は高い。取引開始時に算出された日経225オプション8月限の特別清算値(SQ)は、9日の日経平均終値を87円21銭上回った。

  • 東証1部の売買高は19億6413万株、売買代金は2兆5328億円
  • 値上がり銘柄数は975、値下がりは935
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