債券先物上昇、地政学リスクを意識して買い優勢-超長期債利回り低下

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  • 先物は6銭高の150円40銭と高値付近で終了、長期金利は0.055%
  • 積極的に上値を買う状況にはまだない-岡三証

債券市場では先物を中心に上昇。北朝鮮を巡る地政学リスクや円高圧力が意識されて買いが優勢だった。長期金利が1カ月半ぶりの低水準で推移した上、超長期債利回りも一段と低下した。

  10日の長期国債先物の中心限月9月物は前日比6銭高の150円40銭で取引開始。開始後は一時2銭安の150円32銭まで伸び悩む場面があったが、午後からは再び買い圧力が強まり150円41銭まで上昇した。結局は150円40銭で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「地政学リスクが意識された部分が大きい。超長期債はしばらく入札がないこともあるが、円高圧力が一番のエンジンになりやすい」と指摘。来週の相場展開については、「ジャクソンホール会合も控え、積極的に上値を買う状況にはまだなく、横ばいからジリ高」と述べていた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の347回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.06%で取引を開始。午後には0.055%と、6月28日以来の低水準で取引された。超長期ゾーンでは、新発30年物の55回債利回りが0.5bp低い0.85%と、7月3日以来の低水準を付けた。

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  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「来週は北朝鮮との対話を巡る観測が盛り上がる可能性がある。10年債利回りが0.05%を割り込まない中では、オペの減額はないのではないか」と予想。「地政学的リスク懸念が深刻化すれば、売り需要の低下でオペの応札倍率が下がるはず。日銀はそこに注目してくる」と言う。

  一方、中期ゾーンでは、来週には入札を控えた新発5年物132回債利回りが0.5bp高いのマイナス0.065%に売られた。新発2年物379回債利回りも0.5bp高いマイナス0.115%で推移。この日の国債買い入れオペで残存期間1年超3年以下の応札倍率が上昇したことも影響した。

日銀オペ

  日銀は短中期ゾーンの国債買い入れオペを実施した。残存期間「1年以下」が1000億円、「1年超3年以下」は2800億円、「3年超5年以下」は3300億円、物価連動債は250億円と、いずれも前回と同額。応札倍率は「1年超3年以下」が5倍台に上昇した。一方、「1年以下」と「3年超5年以下」は低下した。

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