英でドルなど外貨口座が人気-離脱や与党凋落でポンド為替リスク意識

  • HSBCの外貨口座に対する6月の需要は、前月から23%増加した
  • 提供される14通貨のうち顧客の圧倒的多数はドルかユーロを選択

「世界のローカルバンク」という英銀HSBCホールディングスのキャッチフレーズは、ロンドンの玄関口であるヒースロー空港にはもはや掲げられていないが、英国の欧州連合(EU)離脱の選択でポンド相場がきついダメージを受けたことや、左派への政治の揺り戻しが、国際感覚のある英国人に外貨口座の開設を促したようだ。

  HSBCの広報担当アンキット・パテル氏によれば、英国居住者向けの同行の外貨口座(HCA)に対する6月の需要は、前月から23%増加した。6月8日の英下院選はメイ首相率いる保守党が楽勝すると予想されたが、政府による介入拡大と高額所得者への課税強化を公約するコービン党首の下で最大野党・労働党が予想外に支持を伸ばし、保守党は過半数を割り込み少数与党となった。コービン氏の支持率は、その後の世論調査でメイ首相を上回る状態が続いている。

  富裕層の個人向けに助言業務を行うブルーイン・ドルフィンの投資マネジャー、ロブ・バージマン氏は「英国のEU離脱が選択された直後の痛ましい急落を経験し、為替リスクが存在するという事実に人々は気付いた」と指摘。総選挙が近づく状況で、英国人は「おい今度はコービン首相になるかもしれない」と考え、「それが為替リスクと政治リスクに人々の意識を集中させた」との見方を示した。

  HCAは14通貨を提供しているが、顧客の圧倒的多数はドルかユーロを選択した。パテル氏によると、今年1-7月のHCAの新規開設数は、前年同期比で5%増えた。比較対象の2016年1-7月には、英EU離脱が選択された国民投票の実施日(6月23日)が含まれる。国民投票の結果を受けて金融市場は動揺し、ポンドの対ドル相場は数十年ぶりの安値に下落した。

原題:HSBC Converts Sterling Wave From Brits Spooked by Corbyn, Brexit(抜粋)

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