中国で膨れ上がるレバレッジという「原罪」-政府の規制効果薄

  • 2008年以降に打ち出された刺激策が「怪物」生んだ-東方資本
  • 理財商品や委託貸付などが依然として高水準に積み上がっている

中国当局が大々的に進めるレバレッジ縮小キャンペーンが今年、ニュースの見出しを飾っている。しかし当局がなぜこの問題に取り組んでいるかを理解するには、またその脅威が中国経済に及ぼし得る影響を把握するには掘り下げて分析する必要がある。

  国営メディアが中国金融システムの「原罪」と呼ぶレバレッジは、この10年で膨れ上がった。従来の標準であった10%超の成長から景気が減速する中で、当局がその影響を和らげようとしていることなどが背景にある。銀行預金金利が低く抑えられている中で、家計や企業がより高いリターンを求めていることがレバレッジの急拡大につながった。

  中国のシャドーバンキング(影の銀行)に関する著書もある東方資本のマネジングディレクター、アンドルー・コリアー氏(香港在勤)は、2008年以降に打ち出された前例のない刺激策が、中国指導部が現在取り組んでいる「怪物」を生み出したと指摘した。

中国の主なレバレッジの伸び

Bloomberg

  中央政府による暗黙の支援に対する期待が、借り手が容易に債務を増やすことにつながっている。

  レバレッジの代表格とも言える理財商品はこの数年で急増した。銀行が預金に付ける利息に比べ、一般的に利回りがかなり高いことから人気を得ている。ただ中国の銀行監督当局は7月、一部の銀行に対して理財商品の利率引き下げを求めるなど、規制が強まっている。

理財商品

Bloomberg

  非金融機関に対する銀行の融資は、当局のリスク抑制キャンペーンの影響をまだそれほど受けていない分野だ。

  また、委託貸付(銀行を仲介役に企業が別の企業に資金を貸すこと)や信託貸付(銀行が理財商品で集めた資金を使って信託プランに投資し、収益が最終的に企業の借り手に渡る仕組み)、銀行引受手形(将来の支払いを銀行が保証する手形)なども人気が高い。ブルームバーグ・インテリジェンスがこの3分野について集計したデータで見ると、シャドーバンキングは6月末時点でなお過去最高の26兆7000億元(約438兆円)に上る。

非金融機関に対する銀行融資

Bloomberg

  こうした影の金融は中国の不動産価格急上昇の原因の一つとみられている。

原題:China Is Taking on the ‘Original Sin’ of Its Mountain of Debt(抜粋)

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