【個別銘柄】SUMCOやオリンパス大幅安、三菱マやロート薬は上昇

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9日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  SUMCO(3436):前日比11%安の1629円。8日に発表した2017年4-6月(第2四半期)営業利益は93億円となり、前の四半期から16%増加した。新たに開示した1-9月期営業利益見通しは278億円と前年同期比3.2倍となるが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、第2四半期実績、見通しともに同証予想を下回ったと指摘。300ミリシリコンウエハーの能力増強投資も発表したが、この意思決定自体が大局的にはウエハーの値上げ局面が最終盤を迎えつつあることを意味しているとも分析した。

  オリンパス(7733):7%安の3790円。4ー6月期(第1四半期)の営業利益は前年同期比4.9%減の127億円だった。医療事業の低調が響いた。790億円で据え置いた18年3月期計画に対する進捗(しんちょく)率は16%にとどまる。SMBC日興証券は、主力の内視鏡の伸びが引き続き鈍化し、市場はややネガティブに捉える可能性があると指摘した。

  三菱マテリアル(5711):4.6%高の3870円。18年3月期の営業利益計画を650億円から前期比17%増の700億円に上方修正した。市場予想は648億円。米国の南カリフォルニアで住宅、商業施設中心にセメント需要が堅調に推移していることを反映した。野村証券は、生コンの販売数量が前年同期比27%増と好調に推移した点がポジティブと評価、会社側は7-9月期以降の需要にも手応えを感じている印象だったと指摘した。

  ロート製薬(4527):12%高の2516円。4-6月期の営業利益は前年同期比55%増の34億3300万円だった。主力のアイケア関連品で「Vロートプレミアム」などが好調だったほか、スキンケア品は「肌ラボ白潤プレミアム」など新製品も伸びた。中国の売り上げ回復や広告費などの効率化でアジアも増益となった。野村証券は、日米欧亜の各地域で堅調な出足、国内では同社が課題としていた10代顧客の開拓が進んだと評価した。

  横河電機(6841):9.7%安の1710円。4-6月期の営業利益は前年同期比49%減の25億4000万円と、市場予想65億4500万円を下回った。海外での資源開発関連投資の抑制などが影響した。18年3月期の営業利益計画は前期比14%増の360億円で据え置き。SMBC日興証券では、通期計画達成には残り9カ月で前年同期比ベースで69億円増加を実現する必要があり、ハードルは高いと指摘した。

  DIC(4631):6.6%安の4095円。1-6月期の営業利益は前年同期比0.1%減の260億円だったと9日午後に発表。従来計画は280億円だった。原料価格上昇や欧州・新興国の通貨安が影響した。据え置かれた通期計画(580億円)に対する進ちょく率は45%。

  カネカ(4118):8.9%安の846円。4ー6月期の営業利益は前年同期比17%減の72億5200万円だった。スチレンモノマーなど一部原料の価格急騰が利益を引き下げた。塩化ビニール樹脂製品向けモディファイヤーでは主要原料のブタジエンの急騰・急落で採算が悪化した。SMBC日興証券は、原料高がきつく、第1四半期営業利益は同証予想の90億円を大幅に下回りネガティブと指摘、通期計画のハードルは一層高まったとの見方を示した。

  日本ペイントホールディングス(4612):5.8%安の4200円。1-6月期(上期)営業利益は原材料価格の上昇などが響き前年同一期間比5.4%減の355億円だった。モルガン・スタンレーMUFG証券は、中国事業の高成長をけん引役に好決算への期待値は高かったと推察するが、主力のアジア事業は第2四半期から減益に転じ市場期待を大きく下回った可能性が高いと指摘。値上げ実施は引き続き一部にとどまるとの会社側の言及を受け、当面は明確な利益率改善シナリオを描きにくくなった点も嫌気されるとみる。

  イオンフィナンシャルサービス(8570):5.4%安の2336円。4-6月期の経常利益は前年同期比13%減の120億円だった。前年同期に前倒しで実施した債権流動化に伴う利益上乗せ効果がはく落した。据え置かれた通期計画650億円に対する進ちょく率は18%。
  
  アーレスティ(5852):16%安の978円。4-6月期の営業利益は前年同期比46%減の12億5500万円だった。ダイカスト事業が国内外で減益となったほか、アルミニウム事業も低調だった。野村証券は、日本での固定費増加などが想定以上だったと指摘。過去に生産性が悪化していた米国拠点の改善はまだ道半ばとみられ、今後の改善が見えるかが注目点とした。

  ライト工業(1926):8.8%安の1113円。4ー6月期の営業利益は前年同期比13%減の14億7800万円だった。連結子会社で繰越工事の売り上げ計上が減少、事業・工種別では基礎・地盤改良、地滑り対策、環境修復が減少した。18年3月通期計画(90億円)に対する進捗率は16%。

  ツバキ・ナカシマ(6464):3.8%安の2199円。4ー6月期(第2四半期)の営業利益は前年同期比9.1%減の17億5500万円だった。ゴールドマン・サックス証券は一時費用を除いても利益額が想定を下回ったと指摘。日系軸受主要3社との比較でツバキナカの方が単位当たり付加価値率が高い半面、原価率は低く売り上げ成長率も常に上回っているにもかかわらず、利益創出力が低く見えると分析した。
  
  ケーズホールディングス(8282):8.9%高の2437円。4-6月期の営業利益は前年同期比64%増の54億3900万円だった。テレビの4K対応機種など、より良い生活ができる付加価値商品の販売で売上総利益率が改善した。ドイツ証券は営業利益が同証予想の30億円を大幅に超過したことを評価。販売が苦戦するなか、価格競争沈静化や高付加価値商品の拡販などで採算改善が顕著、ローコストにも磨きかかるとした。

  タカラトミー(7867):8.8%高の1498円。4ー6月期の営業損益は18億3500万円の黒字となり、前年同期の1億5100万円の赤字から改善した。国内やアジアでの玩具販売が好調だった。海外向け輸出では「トランスフォーマー」「ベイブレードバースト」が伸びたほか、利益率の高い国内では「ベイブレードバースト」やテレビアニメが始まった「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド」が人気となった。東海東京調査センターの栗原智也シニアアナリストは、前期に海外子会社トミーインターナショナルの在庫管理を徹底し、利益が出やすい体質になったことが奏功、第1四半期利益は想定以上との見方を示した。

  ダイフク(6383):8.5%高の4215円。18年3月期の営業利益計画を266億円から前期比30%増の300億円に上方修正した。国内流通業向けシステムの大型化、アジアや北米の半導体・液晶パネル工場向け輸出案件など受注が良好で、生産も高水準。年間配当は52円と前期実績42円から10円の増配となる。ゴールドマン・サックス証券は第1四半期営業利益が66億6500万円と同証予想の55億円から上振れ、ポジティブサプライズと指摘した。

  ヤマハ発動機(7272):5.3%高の3070円。17年12月期の営業利益計画を1200億円から前期比24%増の1350億円に上方修正、市場予想の1304億円も上回った。年間配当予想は65円から78円に引き上げた。クレディ・スイス証券では新興国の二輪事業の収益改善が進んだと評価した。

  住友金属鉱山(5713):5.8%高の1814円。4-6月期の経常利益は300億円と前年同期の2億7100万円から急増。4-9月期計画を450億円から前年同期比4.5倍の530億円に上方修正した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、上期計画の増額には高付加価値化による部分も含まれているとみておりポジティブと評価。

  ステラケミファ(4109):700円(22%)高の3840円ストップ高。18年3月期の営業利益計画を33億5000万円から47億円に上方修正した。活況な半導体市場を背景に半導体液晶部門の出荷が海外向けを中心に好調に推移しているため。いちよし経済研究所の大澤充周シニアアナリストは、最も懸念していた蛍石や無水フッ酸などの材料価格が想定より前倒しでピークアウトした上、半導体や電池の出荷は想定以上に強いと指摘。今後は利益が一段と増えていくと分析し、投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた。フェアバリューは5000円と設定。

  荏原(6361):3%高の3490円。4ー6月期の営業損益は6億6900万円の黒字となり、前年同期の2億9600万円の赤字から改善した。半導体市場の設備投資が引き続き堅調な中、前期の豊富な受注残を背景に精密・電子事業が増収増益、環境プラントも堅調だった。野村証券は投資判断「買い」を継続し、目標株価を3900円から4100円に引き上げた。コンプレッサー・タービンの石油・ガス市場向けメンテナンスの受注は前3月期に抑制の影響を受けたが、緩やかな回復傾向にあるとの認識も示した。

  近鉄車両(7122):7.3%高の2757円。4ー6月期の営業利益は前年同期比66倍の15億7900万円だった。主力の鉄道車両事業で国内では東京地下鉄向け、海外ではロサンゼルス郡都市交通局向け電車の効果で売上高が5割以上伸びた。営業利益で10億円を見込む18年3月通期計画をすでに超過。

  トランザス(6696):9日に東証マザーズに新規上場した。ウェアラブル端末の「Cygnus(シグナス)」、IP放送・VODなどネットワーク映像を再生するSTB(Set Top Box)といったIoT端末や機器装置の製造を手掛けている。18年1月期営業利益計画は2億5600万円で、前期単独業績との単純比較では45%の増益となる。公開価格1300円の2.3倍に相当する2990円買い気配のまま終了。

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