北朝鮮がグアム攻撃を視野、沸騰するトランプの「炎と怒り」

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  • 北が小型核弾頭の生産に成功との報道受け米大統領が発言、市場動揺
  • 北朝鮮は9日、米領グアム島一帯への発射計画を検討していると表明

トランプ米大統領は8日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイルに搭載可能な小型核弾頭の生産に成功しているとの米当局の分析を米紙が伝えたことを受け、北朝鮮が米国を脅し続けるなら、同国は「炎と怒り、そして率直に言えば、世界がこれまでに目にしたことがないようなパワーに見舞われることになるだろう」と述べた。

  トランプ大統領はニュージャージー州ベッドミンスターで記者団に対し、金正恩朝鮮労働党委員長は「非常に脅迫的」だと語った。

  米紙ワシントン・ポストは8日、国防情報局(DIA)の分析を引用して、北朝鮮はICBM級ミサイルに搭載可能な小型核弾頭の生産に成功したと報じた。国連安全保障理事会は5日、北朝鮮による2回のICBM試射に対応し、北朝鮮への制裁決議を全会一致で採択。

  北朝鮮は9日、グアム島一帯への包囲攻撃を検討していることを明らかにした。朝鮮人民軍戦略軍報道官は朝鮮中央通信(KCNA)を通じて声明を発表し、同国は米領グアム島への中長距離弾道ミサイル「火星12」の発射の作戦計画を検討しているとした。

  トランプ大統領が「炎と怒り」の発言に先立ち、主要同盟国や国防総省ないし国務省と調整をしていたかどうかは不明。また「炎と怒り」が通常兵器により大規模攻撃を意味するのか、それとも核兵器の使用を意味するかも明らかでない。

  こうした情勢の進展に伴い、トランプ大統領に北朝鮮のエスカレートする挑発に対応するよう求める声は一段と高まっている。トランプ氏は選挙戦中、北朝鮮が米国を射程に入れる核ミサイルを開発するリスクについて「起こらない」とツイッターで断言していた。

  トランプ大統領の北朝鮮を巡る発言に市場は動揺。S&P500種株価指数は0.2%安で終了。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は、米東部時間午後3時半(日本時間9日午前4時半)前に11%上昇した。米10年債利回りは上昇、ニューヨーク原油先物は前日比22セント安の1バレル=49.17ドルで終えた。

  北朝鮮には他の技術上のハードルがまだあるものの、同国の兵器プログラムは米情報機関の予測を上回る速さで進展しているようだ。米シンクタンク、大西洋評議会 のブレント・スコウクロフト国際安全保障センターの非常勤上級研究員、マシュー・クローニグ氏は、「これで北朝鮮はロシアと中国に次いで、米国に核戦争の脅しをかけられる能力を持った3番目の相手国になった」と語った。

  ヘリテージ財団の上級研究員、ブルース・クリングナー氏は、「必要なのは圧力を強めると同時に、外交の扉を開いておくことだ」と述べた上で、「この先の道のりは長い。われわれは北朝鮮の計画変更を促す圧力を維持する必要がある」と指摘した。

原題:Trump Warns North Korea of ‘Fire and Fury’ as Tensions Rise (1)(抜粋)
N. Korea Says It’s Considering Firing Missile ‘Around’ Guam(抜粋)

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