ほかでは得られない市場データを求める飽くことなき需要が、銀行を難しい立場に立たせている。

  取引を黄金に変身させるシグナルが欲しくてしかたがないクオンツ投資家は、取引先の金融機関が持つ情報へのアクセスを求めて圧力をかける。公開情報は瞬時に解析され、それに基づいて投資家が行動する世界で、投資での優位は一瞬で消滅する。クオンツの言葉で言えば、裁定が働いてアルファが消える。

  このため、一部の投資家は衛星画像やクレジットカード取引記録など変わった情報源の活用を試している。一方、まだ利用されていないウォール街のリソースに目を付ける投資家もいる。以前から存在するが容易には入手できない、例えば調査リポートの読者数のようなデータだ。

  こうした価値ある情報を求める声が強まるにつれて、銀行はバランスを取ろうと苦労する。機密をもらすことなく、役に立つ情報を与えるにはどうしたらいいのか。

  運用会社に助言サービスを提供するアルファ・セオリーでポートフォリオコンサルティング部門プレジデントを務めるベンジャミン・ダン氏は、「バイサイドはずっと前からこのデータを欲しがっていたが、何でもすぐに裁定が働く今はその要求が業界全体でさらに強くなっている」とした上で、セルサイドの銀行では、「調査部門はデータを提供したいと考えるが、コンプライアンスと法務上の責務がこれを阻止している」と話した。

原題:Quants Clamor for Data Causing Soul Searching at Large Banks (1)(抜粋)

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