ドル・円下落、イベント控えて様子見も株安が重し-110円半ば

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  • 米国債の四半期定例入札や米消費者物価指数を見極めへ
  • 今週に入り市場アクティビティ低下、夏枯れ相場に-ANZ

東京外国為替市場のドル・円相場は下落。中国の人民元が上昇基調を強めたのをきっかけに、ドル売りがやや優勢となった。また、この日から始まる米国債の四半期定例入札や11日に発表される7月の米消費者物価指数を見極めようとする雰囲気も一部で広がった。

  ドル・円相場は8日午後3時38分現在、前日比0.1%安の1ドル=110円62銭。人民元主導でドル売りが強まったことをきっかけに下げ始めると、日本株の下落も寄与し一時110円54銭まで売られる場面も見られた。日中の値幅は27銭。前日の日中値幅も27銭と2015年12月29日以来の小ささだった。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、「今週に入って市場のアクティビティも落ちてきており、夏枯れ相場となってきている」と説明。FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、ドル・円の動きについて「足元では日本株が弱くドル・円は買えなくなった感じ」と指摘した。

  東海東京証券金融市場部外貨管理グループの吉田幹彦グループリーダーは「米国債の利払いの円転など季節的な円買い要因や内閣改造後の安倍政権の支持率が思ったほど戻っていないことなど、目先的に円高材料がそろってきている」と指摘。さらに米連邦準備制度理事会の金融政策について「市場はバランスシートの縮小には着手するものの、利上げは当面できないという見方に傾いてきている」こともドル・円の重しとし、「いったんは110円前後の下値を再確認しにいくのではないか」との見方を示した。

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  ドルはほぼ全面安の動き。同時刻現在、主要16通貨のうち12通貨に対して下落している。みずほ銀行アジア・エマージングチームのトレーダー、深谷公勝氏は、ドル売りの背景として人民元高があると指摘。「オンショア人民元が本日の基準値よりも高く始まったことから、オフショア人民元が対ドルで買われ、ドル売りのきっかけとなったようだ」と話した。

  人民元はオンショア、オフショアともに対ドルで昨年10月10日以来の水準まで買われた。ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドルなどに対しても下落する場面があった。豪ドル相場の上昇をめぐっては、7月の豪NAB企業景況感指数が前月の14から15に改善、同企業信頼感が前月の8から12に改善したことが寄与した。

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