日本株は反落、根強い円高警戒や決算反応-精密や建設、医薬品下げる

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  • ミネアポリス連銀、セントルイス連銀総裁の発言はややハト派
  • 週末10日はオプションSQ、先物中心に売り圧力も

8日の東京株式相場は反落。為替の円高警戒感が根強い中、決算失望銘柄の下げが大きくなった。精密機器では第1四半期が10%を超す営業減益の島津製作所、建設では競合に比べ増益率が鈍い大林組が安い。大塚ホールディングスの下げが響いた医薬品はTOPIXの下落寄与度でトップ。

  TOPIXの終値は前日比3.95ポイント(0.2%)安の1635.32、日経平均株価は59円88銭(0.3%)安の1万9996円01銭。

  三菱UFJ国際投信・株式運用部の小西一陽チーフファンドマネジャーは、「グローバルでは夏場から9月にかけ金融政策の拡大基調の変化が予想される中、高値警戒感があるほか、国内では過去の取引でボリュームがあった株価水準に到達し、達成感や戻り売りが出やすい」と話した。

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は7日の講演で、「バランスシートの縮小は非常に秩序だったものになると考えている」と発言。セントルイス連銀のブラード総裁は、予想外に低い物価データはインフレ率が当局目標の2%に向け順調に上昇しない可能性があることを示唆しているとし、政策金利は現行水準で維持すべきだとの考えを示した。

  きょうの為替市場では、ドル・円が一時1ドル=110円50銭台と前日の日本株終値時点110円71銭から円が強含んだ。中国の人民元高に伴うドル売りも円高に振れた要因の一つ。中国税関総署の8日発表によると、7月は輸入の伸びが失速する一方、輸出は底堅さを維持し、貿易黒字は5カ月連続で拡大した。また、東京市場が祝日休場となる11日には米国で消費者物価が公表予定だ。

  岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、米国景気について「指標は底堅いが、インフレ圧力は鈍い。株式市場にとっては適温相場で良いものの、為替面ではドル安・円高基調が続きやすい」と指摘。投機筋の円売りポジションが積み上がっているだけに、何らかのきっかけがあれば、円が買い戻される可能性があると言う。根強い円高リスクが意識される中、「利益確定売りやオプションSQに向けた仕掛け的な売りが出た」とみていた。10日の日本市場は、株価指数オプション8月限の特別清算値(SQ)算出になる。

  もっとも、株価指数の下げも限定的。適温相場の継続やドル安による業績期待を背景に7日の米国株はテクノロジー、生活必需品株中心に上げ、S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均は最高値を更新した。SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、緩やかな利上げで米景気の先行き不安が解消されるほか、グローバル企業を中心にドル安享受の好業績が維持されることは日本株にとっても若干プラス、とみている。

  この日は、引き続き個別銘柄の選別色も濃かった。決算内容が物足りないとクレディ・スイス証券が指摘したサントリー食品インターナショナル、国内建築の採算がやや悪化した大林組が売られ、午後に発表した1ー6月期営業利益が4割減の大塚HDも安い。半面、利益計画を上方修正した日本製鋼所、4ー6月期営業利益が2.4倍のIHIは急伸。三菱国際の小西氏は、国内決算について「第1四半期決算は2割近い経常増益と、事前予想から判断しても強い」と受け止めている。

  東証1部33業種は精密機器や建設、不動産、医薬品、海運、卸売、保険など23業種が下落。水産・農林、鉄鋼、鉱業、ゴム製品、空運、サービスなど10業種は上昇。鉄鋼は、ゴールドマン・サックス証券が高炉3社の再評価は始まったばかりとし、目標株価を上げる材料があった。売買代金上位では、上期が想定以下とゴールドマン・サックス証券が指摘したホシザキが下げた。これに対し、通期営業利益の計画レンジを上方修正したKLabは高い。

  • 東証1部の売買高は16億5236万株、売買代金は2兆1292億円
  • 値上がり銘柄数は866、値下がりは1023
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