資産家ウォーレン・バフェット氏が近づかないでほしいと願うだろう大台が迫っている。

  バフェット氏が50年余りにわたって経営するコングロマリット、バークシャー・ハサウェイは4日、4-6月(第2四半期)末の手元現金が1000億ドル(約11兆円)弱だったことを明らかにした。

  この数字はバフェット氏が長年集めた事業群の圧倒的な収益力を浮き彫りにすると同時に、バークシャーには重荷でもある。同社は配当を支払っておらず、自社株をめったに買い戻さないため、バフェット氏はこれらの資金の投資先探しという困難な課題を抱えている。

  バークシャー株を含めて約60億ドルの運用に携わるウェッジウッド・パートナーズの最高投資責任者、デービッド・ロルフ氏は「この資金を運用に回せれば素晴らしい」が、「バフェット氏が所有したい企業のリストは極めて少ない」と指摘した。

  バフェット氏(86)は5月に行われたバークシャーの年次株主総会で膨らむ手元現金について、しばらく買収に大きく踏み込んでおらず、多額の資金をほとんど利息の付かない形で長期にわたって保有すべきではないとコメント。「問題は、投資に回すことができるだろうかという点だ。過去はわれわれの味方だと言えるが、電話が鳴ればもっと面白いだろうに」とネブラスカ州オマハに集まった株主に語っていた。手元現金には米国債などが含まれている。

  新たな投資先探しが難航する一因は長年にわたる強気相場かもしれない。株価が高値更新を繰り返す中、魅力あるディールを見つけることが一段と難しくなっているとエドワード・ジョーンズのアナリスト、ジム・シャナハン氏は指摘する。手元現金の積み上がりはバフェット氏が適切な機会を待つ姿勢の表れでもあり、相場の調整や弱気相場になればバークシャーの投資は加速する可能性があるとスミード・キャピタル・マネジメントのビル・スミード氏は予想する。

原題:Buffett Nears a Milestone He Doesn’t Want: $100 Billion in Cash(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE