グローバル化はアジアで前進-輸出の回復が成長を後押し

  • 好調な世界経済を背景に貿易量が回復、アジア製品需要を押し上げ
  • 米中の通商摩擦は引き続き最大の脅威か、鉄鋼供給過剰などで緊張

トランプ米大統領の保護主義論の中でグローバル化の話題が鳴りを潜めているが、アジアでは極めて異なる物語が展開している。

  輸出は回復し、各国政府は自由貿易協定を目指しており、米国の自動車メーカーは雇用を国内に戻すどころか、中国に新たな生産施設を計画中だ。年初は貿易戦争の恐れが不安視されたが、ここにきて世界各国の経済が7年ぶりに回復基調で足並みがそろい、そうした状況がアジア製品需要を押し上げている。

  だが、この状況は持続し得るのか。知的所有権問題や世界的な鉄鋼供給過剰、北朝鮮の核開発問題を巡る対中非難の高まりで、米中関係は再び緊張してきた。中国経済は減速する見通しで、米欧からの需要が大幅に増加する可能性は低いことから、世界貿易は弱まる兆しが見えていると、オックスフォード・エコノミクスのアジア経済責任者ルイス・クイジス氏(香港在勤)は指摘する。

  ただ物事を楽観的に捉える人々の目には、貿易の先行指標である製造業の輸出受注と運賃は依然高く、向こう数年の世界経済の成長は引き続き堅調な見通しに映る。貿易戦争の脅威はまだ残るが、これまでのところトランプ政権の対中姿勢は大統領選での論調よりもかなり控えめだ。

  シンガポール国立大学リークワンユー公共政策大学院のアジア・グローバリゼーション研究所上級リサーチフェロー、パラグ・カンナ氏は「地理経済学は地政学のようには明らかに見えない」と述べ、「グローバル化は極めて力強く前進しており、アジア域内の貿易は明らかに堅調に成長している」と指摘した。

  これは経済の好循環をもたらしている。台湾の貿易黒字は過去最高を記録し、ベトナムの輸出は急増。日本の輸出は7四半期連続で拡大。韓国の輸出は7月に20%増えた。中国の人民元建て輸出は1-6月期に前年同期比で15%増加した。

  エコノミスト調査によれば、8日発表予定の中国の貿易統計では輸出が7月にドル建てで前年同月比11%増加したと見込まれている。

原題:Globalization Is Thriving in Asia as Export Revival Buoys Growth(抜粋)

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