ソフトバンクグループの4-6月期の連結純利益は、前年同期比98%減の55億円となり、市場予想の1780億円を大幅に下回った。前年同期に貢献したアリババ・グループ・ホールディング株式の売却益がなかった反動に加え、関連でデリバティブ関連損失2571億円を計上したことが響いた。

  7日の開示資料によると、売上高は前年同期比2.8%増の2兆1861億円(市場予想は2兆2010億円)、営業利益は50%増の4793億円(同3237億円)だった。営業利益は4-6月期としては2013年の4001億円を超え、過去最高となった。

  営業損益ベースでは、国内通信事業が既存顧客向けの新料金プランへの先行投資などで減益となったが、米携帯電話子会社のスプリント事業の好調が寄与した。アーム事業は69億円の損失だった。

  ソフトバンクは5月、930億ドル(約10兆円)超の出資規模で中東の政府系ファンドや米アップルなどが参画する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を発足。テクノロジー関連事業の強化に向け国内外の新興企業への投資を進めている。一方、米ケーブルテレビのチャーター・コミュニケーションズへの買収提案も浮上するなど規模拡大に積極的だ。

アリババ株

  孫正義社長は純利益の大幅減について、アリババ株式の売却契約に関連したデリバティブ取引で損失が発生したと説明した。傘下入り後初めて黒字化(純損益)したスプリント事業については拡大に意欲を見せ、「複数の選択肢で事業統合を検討しているが、明らかにすることはできない」と述べた。ビジョン・ファンドに関しては「あくまで投資とリターンなので業績を予測するのは難しい」とした。

  孫社長はこの四半期に2571億円を計上したデリバティブ損失について、アリババ株の変動により損益が左右される仕組みで、前期からの3年間での損失総額は差し引き9億ドル(約1000億円)にとどまる見通しと説明した。デリバティブ損益とは別に前年同期はアリババ株売却などで2042億円の関連会社株式売却益を計上していた。

  野村証券の増野大作アナリストは決算発表前の取材で、「ビジョン・ファンドを含め、テクノロジーの事業を今後どのように強化していくのかに注目している」と話した。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE