【日本株週間展望】小動き、米経済警戒が上値抑制-決算好調は安心

  • 弱めの米経済指標が増加、利上げもドル高も遠のく公算
  • 主要企業の4-6月期経常利益は前年同期比26%増-みずほ証集計

8月2週(7-10日)の日本株相場は高値圏でもみ合う見通し。米国経済の減速懸念を背景とした長期金利低迷とドル安・円高傾向が相場の頭を抑える。半面、四半期決算の好調を受け買い安心感は一段と強まっている。

ドル・円紙幣

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米国では7日にセントルイス連銀総裁とミネアポリス連銀総裁が講演する。セントルイス連銀のブラード総裁は2日のマーケット・ニュース・インターナショナル(MNI)とのインタビューで「インフレ見通しを考慮すれば、近い時期のさらなる行動は支持しない」と述べ、追加利上げに慎重な姿勢をあらためて示している。米供給管理協会(ISM)が3日に発表した7月の非製造業総合景況指数は53.9と、16年8月以来の低水準だった。ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は「弱い指標が続き米経済モメンタムが低下、ドル高・円安に振れる気配はなくなり、為替要因からは上値を追えない」と話す。

  一方、主要企業の発表が一巡した国内第1四半期(4-6月)決算は良好で、相場を下支えする。みずほ証券によると、3日までに発表した東証1部の688社(金融除く)の経常利益は前年同期比26%増で、通期計画に対する進捗(しんちょく)率は27%。三野博且シニアストラテジストは「増益率、進捗率とも高く、少なくとも08年のリーマン・ショック以降では最も強い決算」と評している。通期計画を上方修正した企業は全体の8.8%と高水準。「大半が需要の押し上げによるもので、為替要因ではない。第2四半期決算時にはさらに上方修正企業が増える」と三野氏はみる。

  主な決算発表は、7日にソフトバンクグループや東レ、大成建設、8日に住友金属鉱山、三菱マテリアル、東京海上ホールディングス、9日に第一生命ホールディングスやMS&ADインシュアランスグループホールディングス、ブリヂストン(1-6月)、10日にSOMPOホールディングスなどが予定。国内経済指標は、8日が貿易収支と景気ウオッチャー調査、9日が工作機械受注、10日が機械受注。海外経済指標では、中国で8日に貿易統計、9日に消費者物価指数が公表される。第1週の日経平均は週間で0.04%安の1万9952円33銭と3週連続安。

<<市場関係者の見方>>
ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄シニアファンドマネジャー
  「為替は1ドル=110円近辺での一進一退を想定、日米金融政策の方向性の違いから中長期では金利差が拡大、これ以上の円高を心配する必要はない。来週公表の四半期決算ではゼネコン大手に注目。慎重な会社側の通期計画に対し高い進捗になるとみられ、粗利益率の改善も継続するだろう。改善は止まったとの見方を良い意味で裏切る可能性がある」

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長
  「大所の決算発表は一巡。材料が少なくなって夏枯れとなり、日経平均は2万円を挟んだ推移を予想。米経済は特に悪くはないが、足元で弱い指標が続きドル高・円安は難しくなったため、日本株の上値を追いにくい。一方で国内決算は景気敏感業種を中心に経常増益率が高く、通期計画に対する進捗率も高い」

ピクテ投信投資顧問の松元浩常務執行役員
  「米国のトランプ政権とロシアとの関係を巡る疑惑で肝心の米財政改革の審議に時間がよりかかる懸念があり、ドルの上値は重く米長期金利も低下、日本株の上値を抑えそう。国内の企業決算は総じて想定レンジから若干良いという印象で、日本株を積極的に売る内部要因はない。中国経済は爆発的な伸長局面が終わり、環境面など質的な変化に対応する投資が見えてきている。技術が求められ、日本の立ち位置は悪くない。製造業に注目している」

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