総合商社5社が2桁超の増益、資源回復がけん引-原料炭高騰取り込む

  • 鉄鉱石や銅などの市況も回復、資源分野の利益を各社伸ばす
  • 非資源分野も総じて堅調、通期予想に対する進捗率は全社25%超に

総合商社5社の2017年4-6月期の連結決算が4日、出そろった。石炭や鉄鉱石などの価格上昇による資源分野の損益改善がけん引し、住友商事の純利益が前年同期と比べて3.5倍となったほか、他の4社も2桁の増益となった。

  同日決算を発表した伊藤忠商事の純利益は前年同期比48%増の1082億円だった。資源分野の純利益が169億円増の207億円。非資源分野は151億円増の892億円と同期としては最高益だった。会見した鉢村剛最高財務責任者(CFO)は「各セグメントに分散している中小の事業会社がしっかり稼いでいることが大きく貢献し、加えて鉄鉱石や石炭価格の上昇の恩恵も受けた」と振り返った。

  各社の利益を押し上げた石炭価格上昇は、製鉄用原料炭の世界最大の輸出国オーストラリアに3月、サイクロンが襲来し、鉄道輸送網に被害が生じたことによるもの。一時的に出荷できない状態となり、需給ひっ迫から価格が上昇した。指標となるスポット価格は4-6月期の平均で1トン当たり=191ドルと、前年同期と比べて2倍に急騰した。

  原料炭事業に強みを持つ三菱商事が金属部門の利益を大きく伸ばしたほか、三井物産も豪州での石炭や鉄鉱石事業の利益が増加した。中国でのインフラ投資拡大を背景に鉄鉱石や銅などの価格も回復しており、住友商事と丸紅の資源事業はともに前年同期の赤字から黒字へと転換した。

  野村証券の成田康浩シニアアナリストは「各社とも資源価格の上昇を利益に取り込み、食料や化学品など資源以外の分野も総じて想定を上回る良い決算だった」と指摘。原料炭価格は足元でも高値圏で推移しているが持続するかは不透明として「外部要因に頼らない利益成長につなげるための次の打ち手に注目している」と述べた。

  三菱商事は鮭鱒市況の好調で養殖事業の利益が伸びたほか、2月に子会社化したローソンからの利益貢献も拡大。石化製品の原料市況の改善で化学品部門の利益も伸びた。増一行CFOは「資源価格の回復を享受したことと合わせて順調なスタートを切れた」と語った。住友商事は北米での鋼管事業が黒字に転換したほか、米国オフィスビル売却による利益計上もあった不動産事業が堅調に推移など非資源分野の利益も拡大した。

  三井物産は鋼材市況の上昇を受けた鉄鋼製品や化学品のトレードが好調だった。一方、米国での飼料添加物メチオニンの生産事業が市況下落を受けて落ち込むなど非資源分野全体の純利益は前年同期比で横ばいだった。丸紅は穀物トレードの採算が悪化したほか、電力・プラント部門などの利益減少で非資源部門は減益となった。

【総合商社5社の業績一覧】

4-6月の純利益通期の純利益計画 進捗率
三菱商事   1,178(17)   4,500(2.2)   26%
三井物産    1,108(81)   3,200(4.5)    35%
伊藤忠   1,082(48)   4,000(14)    27%
住友商事    782(245)   2,300( 35)   34%
丸紅     538( 11)   1,700(9.4)   32%

(注:単位は億円、カッコ内は前年同期比%、全社国際会計基準)

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