【個別銘柄】減益決算カシオや日立造が大幅安、古河電工やANA高い

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3日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  カシオ計算機(6952):前日比7%安の1716円。2017年4-6月期(第1四半期)営業利益は前年同期比7.6%減の65億6600万円だった。モルガン・スタンレーMUFG証券は、時計事業の売上高が9%減だった点はサプライズと指摘。時計がかつての2桁成長を期待できる状況ではない点に、株価はネガティブに反応するとの見方を示した。投資判断は「イコールウエート」を継続。

  日立造船(7004):7.3%安の535円。4-6月期の経常損失は49億9200万円と前年同期の34億600万円から赤字幅が拡大した。東海東京調査センターの大平光行シニアアナリストは電話取材で、業界の特徴として利益は下期偏重のため、第1四半期の実数値の悪さ自体に驚きはないものの、受注が減少しているため期待感は出にくいと指摘。6月以降は株価が戻り歩調にあったため、売られやすかった面もあるだろうとの見方を示した。

  古河電気工業(5801):14%高の5650円。18年3月期営業利益予想を370億円から430億円に上方修正すると2日発表した。市場予想は411億円。野村証券は、7-9月期以降の為替前提は1ドル=105円、下期の業績予想は変更しておらず、上方修正した通期計画は保守的と指摘。旺盛な北米の光ファイバ需要の成長は、まだ中期的な成長サイクルの初期段階で、情報通信の中期成長への期待の高まりやそれ以外の分野での低採算製品の絞り込みなどの経営改革も進展するとみる。目標株価は5500円から6300円に引き上げた。

  ANAホールディングス(9202):5.4%高の409円。4-6月期の営業利益は前年同期比80%増の254億円と、市場予想の182億円を上回った。国内線はゴールデンウィーク期間の利用増などで回復基調、ビジネス利用などで国際線も好調だった。SMBC日興証券は、国際線、国内線、貨物事業ともに売り上げが強含みと評価。国内線では割引価格帯運賃の拡充で新たな需要の掘り起こしが奏功したもようで、第2四半期以降も好調な需給環境は継続するとみる。

  住友商事(8053):4.2%高の1578円。4-6月期の純利益は前年同期比3.5倍の782億円だった。亜鉛や石炭価格の上昇で資源事業の損益が前年同期の赤字から黒字に転換、前期に計上したボリビア銀・亜鉛・鉛事業での税引当金108億円がなくなるなど一過性損益も改善した。据え置いた通期計画(2300億円)に対する進捗(しんちょく)率は34%。

  NTN(6472):3.9%安の494円。4-6月期の営業利益は前年同期比21%減の85億9600万円だった。国内で販売が伸びて7%増収を確保したものの、固定費が増加した。クレディ・スイス証券は、第1四半期は未実現利益の影響で、弱めな増収減益決算にとどまったと指摘。日本精工が発表した第1四半期決算が大幅増益だったため、NTNも好決算を期待する見方が台頭していたこともあり、過度な懸念は不要だが目先の株式市場の反応はややネガティブとなると予想した。

  イビデン(4062):3.2%安の1932円。4-6月期の営業利益は前年同期比2.4倍の30億1700万円だった。ゴールドマン・サックス証券は、全社利益の順調な改善を前向きに評価した半面、将来の期待を高める材料は終わり始めた印象で、株価はこれまでの勢いを続けにくいと指摘。ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は将来の市場懸念があり、中国・韓国向けが好調のプリント配線板(PCB)も7-9月以降の業績を示唆しないとし、投資判断「売り」を継続した。

  日立キャピタル(8586):6.9%高の2807円。4-6月期の純利益は前年同期比11%増の81億5400万円だった。注力する環境・エネルギー分野の増加などで日本事業が堅調に推移したことに加え、米州を中心にグローバル事業が拡大したことが寄与した。第1四半期の堅調な業績を踏まえ、4-9月(上期)の純利益計画を140億円から154億円に上方修正した。

  コロプラ(3668):6%高の1274円。16年10月-17年6月期の営業利益は前年同期比62%減の98億4400万円だった。いちよし経済研究所の納博司アナリストは、会社の通期営業利益計画(110億円)に対して約9割と高い進捗(しんちょく)率に言及、「既存ゲーム事業の回復の持続性などまだ不透明な部分もあるが、利益については確保できるという見方が広がったようだ」と電話取材で指摘。前日までに信用売り残が膨らんでいたことも、株価の上昇を増幅させたとみていた。

  キッコーマン(2801):4.9%高の3615円。4-6月期の営業利益は前年同期比15%増の97億300万円だった。国内の食品・製造販売が5割を超す増益となった。野村証券は、国内は豆乳やトマトジュースなど飲料の売り上げがメディア効果でかさ上げされ、実力以上の利益が出た印象と指摘。目標株価を3600円から3750円に引き上げた。

  ヨネックス(7906):9.5%安の986円。3日午後に発表した4-6月期の営業利益は前年同期比34%減の8億900万円だった。上期計画(27億円)に対する進捗(しんちょく)率は30%にとどまった。円安で原材料や商品輸入コストが上昇、広告宣伝費の増加も利益を圧迫。アジアでは中国での販売網構築のため販管費が増加した。

  セイコーホールディングス(8050):2.8%高の507円。4-6月期の営業利益は前年同期比3.1倍の27億1700万円だった。その他のセグメントを除くウオッチ、電子デバイス、システムソリューションの3事業が増収増益。クレディ・スイス証券は、営業利益は同証予想の17億円を上回ったと指摘。電子デバイスの好調、時計事業で復調の兆しが確認できたことはポジティブな印象と評価した。

  UACJ(5741):8.9%安の298円。4-6月期の経常利益は前年同期比2倍の78億900万円だったが、ゴールドマン・サックス証券では、在庫評価益59億円の好転を踏まえると、実質では減益決算と指摘。米国の自動車向けアルミパネル材合弁は当初見通しに比べて生産数量が下振れており、やや赤字幅が拡大する可能性があるとみる。投資判断は「中立」を継続。

  山崎製パン(2212):4.5%安の2146円。1-6月(上期)営業利益は前年同期比14%減の168億円と、従来計画の190億円を下回った。SMBC日興証券は、第1四半期の13%営業減益の線で第2四半期も推移したことが判明し第一印象はネガティブと評価。業績悪化が続いた要因はヤマザキビスケットなど連結子会社の苦戦、目新しさはないものの第2四半期では改善の兆しが見られなかったとした。

  良品計画(7453):4.1%高の2万9550円。7月の直営既存店売上高は前年同月比12%増と、15年10月以来の2桁の伸びとなった。衣服・雑貨が堅調だった。SMBC日興証券は、好調が持続ししていると指摘、衣服・雑貨はセール品に加え秋物も好調と評価した。

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