経済政策の司令塔に、「人づくり革命」担当相も兼務-茂木経済再生相

  • 野党時代にインフレ目標導入を主張、国会で日銀法改正に言及
  • 安倍首相、岸田政調会長や野田総務相と当選同期、旧日本新党出身

経済再生担当相に自民党前政調会長の茂木敏充氏が就任する。経済政策の司令塔として政権が目指すデフレ脱却や国内総生産(GDP)600兆円の実現などに取り組むほか、安倍晋三首相が重要施策に掲げる教育無償化や人材投資などの「人づくり革命」担当相も兼務する。

  茂木氏は8日午後、官邸で記者団に対し、安倍首相から「経済最優先ということで、その分野を担うことになった。人づくり革命はまさに政権の目玉政策。しっかり成果を出して行きたい」と語った。党政調会長として経済関連政策のとりまとめを行ってきた経験を生かし、閣内で政策実行を取り仕切ることになる。

茂木敏充・経済再生担当相

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  経済再生担当相は12年12月の第2次安倍政権発足に伴い新設されたポストで、これまでに甘利明、石原伸晃両氏が起用された。政府の成長戦略や骨太の方針の策定ほか、税と社会保障の一体改革を中心に担当する。日欧EPA(経済連携協定)や環太平洋連携協定(TPP)も任されることになる。

  18年度にかけて行う財政健全化に向けた「経済・財政再生計画」の進捗(しんちょく)状況を再評価する作業では、与党内の一部に先送り論もある基礎的財政収支(PB)を20年度に黒字化する目標の扱いが焦点となっている。

  茂木氏は1955年10月生まれの61歳。東京大学卒。総合商社の丸紅勤務を経て米ハーバード大学大学院で学んだ後、マッキンゼー社でコンサルタントなどを務めた。

  初当選したのは安倍首相、岸田文雄党政調会長、野田聖子総務相と同じ1993年の総選挙。旧日本新党から出馬し、その後自民党入りした。現在8期目で額賀派(平成研究会)に所属。第2次安倍政権下では経済産業相や党選対委員長などの要職を歴任している。

  SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは2日の電話取材で、茂木氏の起用について「アベノミクスの個別政策を党サイドで仕切ってきた方で、政策の継続性ということでは評価できる」と語った。

野党時代は国会で日銀法改正に言及

  茂木氏は、野党時代に政調会長を務めた際、12年2月の衆院予算委員会で、デフレ脱却に向けて日本銀行がインフレ目標政策を導入するよう主張。「日銀が動かないんだったら、日銀法を改正すればいい」と法改正に言及したこともある。

  日銀の黒田東彦総裁が異次元緩和導入を決めた13年4月に経産相だった茂木氏は記者会見で、「次元の違う政策だと高く評価している」とコメントしている。

  昨年9月の日本外国特派員協会での講演では、日本経済の現状について「企業の投資活動であったり、個人消費、イノベーションなど十分な進展が見られない部分、そして改善の余地がいまだに大きい部分もある」と指摘し、アベノミクスは「道半ばである」とも発言していた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE