千葉銀:運用難でも動かず、過度なリスク回避-リーマンの教訓

更新日時

時価総額で地方銀行2位の千葉銀行は、マイナス金利政策の厳しい運用環境下で円債や外債への積極的な投資を控えている。かといって過度なリスクテークに動くことはせず、次善の策としてあえて動かないことを選んでいるという。

  「円債も外債も買うものがない。本当に難しい環境だ」。同行市場営業部の郷家一紀副部長はこう言って、超低金利の運用環境を嘆く。さらに日本銀行が長い将来にわたり10年国債利回りの誘導目標0%程度を維持するとは限らず、郷家氏は「金利の上昇懸念が拭い去れないので円債は腰を入れて買うことができない。前年度に比べてより厳しい状況になっている」という。

  同氏は「リターンが小さい時に積極的にリスクを取る必要はないと思う」と指摘。リーマン危機を発端とした金融商品の信用悪化を教訓として、「自分たちが商品性を理解できない物は買わない」と述べ、リターンよりも流動性や安全性を重視している。千葉銀は金利の乗った過去の国債が償還されても無理に再投資はせず、国内の社債などに一部を回しながら投資残高の縮小を許容している。

  金融庁のまとめでは、マイナス金利政策の影響で地銀・第二地銀106行の2017年3月期の本業のもうけを示す実質業務純益合計は前期比19%の大幅減だった。こうした中、貸し出し業務の不振を埋め合わせようとして、過度なリスクのある運用に向かわないか金融庁は神経をとがらせている。特に外債は昨年末の米金利急上昇で含み損が発生した可能性が高く、同庁は3月、外債運用を拡大している一部地銀などに立ち入り検査する方針を示していた。

  千葉銀は国債利回りの変動リスクに備えて保有債券の残存期間の維持・短期化に動くとともに、外債については米金利の上昇などに備えて一部売却。同氏は「あわてて外債投資を増やすことはない」と話す。同行が投資残高の縮小を許容できるのは、本業の貸出金を伸ばしているからだ。首都圏の千葉県を地盤とする同行の貸出金残高(17年3月期)は前年度比5.7%伸びており、地銀全体の3.7%増を上回っている。

本業

  もともと、地銀の有価証券投資は余資の活用という面が強く、国債中心の手堅い運用が主流だった。ところが、日銀のマイナス金利政策導入によって、国債利回りは残存期間7年以下までマイナス圏に沈み、安全な利回り先が確保できない事態となっている。

  大和総研の調べでは、異次元緩和導入前(12年12月)と昨年11月を比べると、地銀全体の運用資産に占める国債の割合が48%から36%に低下した一方、外国証券が9%から17%に上昇するなど多様化が進んでいるという。

  マイナス金利下で銀行にとって運用と並び本業の貸し出しも苦しい状況にある。千葉銀は貸出金を堅調に伸ばし、利ざや縮小の悪影響をある程度吸収しているが、貸し出し業務の収益が減少していることに変わりはない。マイナス金利が長引いた場合の影響について、郷家氏はこう言う。「運用部門というより、本業の貸し出しがますます厳しくなるだろう」

(第5段落を加筆しました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE