JT、今期営業益予想を5650億円に上方修正

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日本たばこ産業(JT)は、今期(2017年12月期)の営業利益予想を5650億円(従来5600億円)に上方修正した。ブルームバーグが集計したアナリスト18人の営業利益予想の平均5828億円を下回った。予想の増額は海外たばこ事業で為替の前提条件を見直したことや、医薬品事業が従来よりも増益となる見通しとなったことが影響した。

  売上高予想は2兆1250億円(従来2兆1100億円)に引き上げる一方で、純利益予想は4020億円に据え置いた。同社は今期の医薬事業の調整後営業利益予想を230億円(従来190億円)に増額。海外の製薬会社にライセンスを供与しているエイズ薬などの販売が拡大したことで、ロイヤルティー収入の増加が見込めるとしている。前期(16年12月期)との比較では133億円の増益となる。

  加熱式たばこが国内で急速に普及し、紙巻きたばこの販売減が続いている。こうした中、JTは6月末に東京で加熱式たばこ「プルーム・テック」の販売を開始。米フィリップ・モリス・インターナショナルは、他社に先駆けて16年から加熱式たばこ「iQOS(アイコス)」を全国での販売を開始。後を追うJTは18年をめどにした全国での販売展開について「取り組みは着実に進捗(しんちょく)」としている。

  国内たばこ事業では今期の紙巻きたばこの販売数量見込みを下方修正。同事業の調整後営業利益見通しも従来予想比5.7%減の2300億円に減額した。同社の宮崎秀樹副社長は都内で会見し、加熱式たばこの普及拡大で、国内全体の紙巻きたばこ需要は今期13%減少するとの見通しを示した。海外たばこ事業でも販売数量は減少する見込みだが、今期の為替レートは従来予想と比べユーロ高米ドル安、円安ドル高と同社業績にプラスとなる方向に動くと見込んでいる。

  ジェフリーズのアナリスト、オーウェン・ベネット氏は決算発表を受けたリポートで、国内たばこ事業の下方修正は「事業へのプレッシャーが高まっていることを示すもの」と指摘。東京でのプルーム・テックの販売開始も、都内全域での販売が実現するのは17年末になるため、「希望を与えられるものではない」との見解を示した。

  同社の4-6月期の営業利益は前年同期比16%増の1643億円と、市場予想1522億円を上回った。加熱式たばこの影響により、同社の1-6月期の紙巻きたばこの販売数量は前年同期比11%減となった。

(決算発表の詳細を追加して記事を更新します.)
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