ドルは110円台前半、米政治混乱が重し-ポンドは昨年9月来高値

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  • ドル一時110円01銭まで下落し、6月15日以来のドル安値更新
  • 110円は強固な下値抵抗線ではない-三井住友銀

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=110円台前半。前日のシカゴ製造業景況指数低下やトランプ米政権の人事を巡る混乱などを背景に、ドル売り・円買いが優勢となった流れを引き継ぎ、午前に約1カ月半ぶりのドル安・円高水準を更新した。午後は下げ幅を縮小した。

  1日午後3時33分現在のドル・円は前日比0.1%安の110円20銭前後。午前の取引で110円42銭まで上昇した後、一時110円01銭まで下落し、6月15日以来のドル安・円高水準を付けた。午後は下げ渋り、徐々に値を戻す展開。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日とほぼ変わらずの1153.66。一時1152.48と2016年5月3日以来の水準に低下した。

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「トランプ政権のごたごたが相次ぎ、政策実効性について疑問符も出ている。米政治の混乱は続く見通し」と指摘。ドル・円については、「これまで110~115円のレンジで推移したので下げ一服」としながらも、「110円は強固な下値抵抗線ではなく、きょうは110円割れを試す局面もあるだろう」と述べた。

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  1日の米国では7月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、6月の個人支出・所得、6月の建設支出などが発表される。ブルームバーグ調査によると、ISM指数は56.5、個人支出は前月比0.1%増、個人所得が同0.4%増、建設支出は前月比0.4%増が見込まれている。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット為替セールスチームの西田朋広主任調査役は、ドル・円について、「今晩の米経済指標次第で戻す可能性もあるが、トランプ政権の不透明感や物価の低迷などから、ドル売り基調は続きそう」と指摘。「日米でリスク回避要因も散見される中で上値の重さも意識されている」と述べた。

  ユーロ・ドルは同時刻現在、0.1%安の1ユーロ=1.1827ドル前後。前日には一時1.1846ドルと2015年1月14日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。欧州では1日、4ー6月期のユーロ圏国内総生産(GDP)速報値が発表される。ブルームバーグ調査では前期比0.6%増、前年比2.1%増が見込まれている。

  三井住友銀の宇野氏は、ユーロ・ドルについて、「今はスピード調整で一気に1.2ドルに行かないが、1.2ドルは通過点とみている」と指摘。「足元の主役はドル売り、ユーロ買い、ポンド買い。昨日の欧州指標は良い数字が出た一方、米国のシカゴ製造業景況指数は前月の反動ながらも弱い数字だった。両者は対照的。米雇用コスト指数などを背景に、米連邦準備制度理事会(FRB)も先行きインフレ見通しの認識が揺らいでいる部分がある」とも語った。

  ポンド・ドルは同時刻現在、ほぼ変わらずの1ポンド=1.3213ドル。一時は1.3235ドルと2016年9月16日以来のポンド高・ドル安水準を付けた。英中銀イングランド銀行(BOE)は3日に金融政策委員会を開く。

  みずほ銀行の日野景介トレーダー(ニューヨーク在勤)は、「今週はBOEも大事。市場はこの数週間、金融政策の方向性の違いでやってきた。円とスイスが駄目な国で、ドルやユーロ、カナダといった引き締める方向に行く国。タカ派な中銀対ハト派な中銀という徐々に色合いが出てきた。早いところはタカ派に移行してきているので、そういう意味で今回のBOEもまた金融政策の逆行性を占う上で大事になってくる」と述べた。

  オーストラリア・ドルが対米ドルで堅調。中国の財新製造業購買担当者指数(PMI)上昇を受けて1豪ドル=0.8043米ドルまで上昇後、豪中銀声明発表後に一時0.7996米ドルまで下落した。豪中銀オーストラリア準備銀行(RBA)はこの日、政策金利を過去最低の1.5%に据え置くことを決定。声明文では、「豪ドル高により、成長や物価は予想よりも鈍くなる可能性がある」と指摘した。

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