米国の工場から世界各地の顧客に核シェルターを出荷しているアトラス・サバイバル・シェルターズ(カリフォルニア州)のビジネスがこれほど活況だったことはかつてない。「ボムネード」は最もよく売れている核シェルターの一つで、値段は1万8999ドル(約210万円)からだ。

  世界情勢全般、特に金正恩朝鮮労働党委員長が米国本土を攻撃し得るミサイルの開発を進めていることを考えれば、同社の核シェルターの需要が高まっているのは驚きではない。興味深いことに、核シェルターへの関心が最も急速に高まっているのは米国ではなく日本だ。日本は長期にわたり北朝鮮の射程圏内にある。

ビボスのシェルターは元々、20世紀半ばに米陸軍工兵司令部によって建造され、それ以降、他の用途に利用されている
ビボスのシェルターは元々、20世紀半ばに米陸軍工兵司令部によって建造され、それ以降、他の用途に利用されている
ビボス

  「今、最も盛り上がっているのは日本だ」。アトラス・サバイバルのオーナー、ロン・ハバード氏はそう語る。同社は半年から1年居住可能なモデルの地下シェルターを十数種類製造しているが、その一部には避難用トンネルや除染室、防弾ハッチが装備されている。

  日本人は数十年にわたって北朝鮮を脅威と見なしてきた。一部の国民は緊急事態に対して真剣に準備してきたが、北朝鮮が7月4日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し警戒レベルが高まった。日本にも小規模な核シェルターメーカーのセクターはあるが、米国はサバイバルを目指す人々のネットワークが豊富なことが特徴で、「ハルマゲドン(終末)」に備えるビジネスの中心地と言える。

アトラスの地下シェルターには談話室やキッチンがある
アトラスの地下シェルターには談話室やキッチンがある
アトラス・サバイバルのハバード氏

  地下シェルターメーカーのライジング・S(テキサス州)にもアトラス・サバイバル同様に問い合わせが殺到している。ゼネラルマネジャーのゲーリー・リンチ氏によれば、同社の鉄鋼製シェルターに関する問い合わせは過去3週間に倍増し、うち80%が日本からのものだという。

  ライジング・Sのウェブサイトに掲載された設計図には多くの装備が並んでいる。除染区域やフィットネスセンター、スイミングプール、射撃場、ビリヤード台付きのゲームルームやポルシェを駐車するガレージなどだ。50人以上が宿泊可能でボーリング場付きのシェルター「アリストクラット」の価格は835万ドルとなっている。

  リンチ氏は、新たに関心が高まっている背景には北朝鮮情勢があると指摘する。「実際には新たな脅威ではない。メディアと人々が注目しているだけだ」。

  実際、北朝鮮によるICBMの発射が成功したことを受けて脅威はかなり強まっている。核武装した北朝鮮は約6000マイル(約9700キロメートル)離れた米アラスカ州を攻撃できる可能性がある。東京は平壌から日本海を隔てて800マイルの距離にある。安倍晋三政権はこうした事態を深刻に受け止めている。国民向けウェブサイトを定期的に更新し避難方法を伝えるほか、テレビ広告ではICBMが飛行中、警報システムが作動している際にどう行動すればいいかについて周知している。

  イスラエルから輸入したエアコン型核シェルターの設置を手掛けるシェルター(大阪府)の西本誠一郎社長は、人々は本当に怖がっていると指摘。だから非常に多く電話がかかってくると話す。

アトラス・サバイバルのオーナー、ハバード氏は地下シェルターは新築の家の標準的な備品になるだろうと語る
アトラス・サバイバルのオーナー、ハバード氏は地下シェルターは新築の家の標準的な備品になるだろうと語る
Source: Ron Hubbard, Atlas Survival Shelters

  ウェブサイトで「将来の絶命の危機が迫る出来事」に耐え得るとうたう高級シェルターのメーカー、ビボス(カリフォルニア州)の創業者で最高経営責任者(CEO)のロバート・ビチーノ氏は、日本でも世界各地でも「人々は曖昧な態度を取るのをやめている。われわれは非常に多くの申し込みを受けている」と語る。

  広告されている装備には、核・生物・化学兵器に対応する空気ろ過システムのほか、食料とトイレットペーパー1年分を保管できるスペース、ディーゼル発電機、非常口に加え、重要な突風にさらされても破壊されない能力が含まれている。

原題:In Japan, the $18,999 Bomb Shelters Are Selling Like Crazy Now(抜粋)

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