日本株は嵐の前の静けさか、夏以降に急変動も-楽観市場は要注意

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  • 日経平均の上期値幅比率は今世紀2番目の低さ、7月もこう着相場
  • 金融政策の大転換で市場動揺なら日経平均は4000円変動も-大和証

ことし上期の値幅比率が10年ぶりの低水準となった日経平均株価は、下期に入ると日々の変動がさらに小さくなった。2001年以降、上期の動きが小さいと下期に大きく変動するという経験則があり、投資家は低ボラティリティーに安心している場合ではないのかもしれない。

  日経平均の1-6月の高値(2万0230円)と安値(1万8335円)の差を前年の終値で割ったことし上期の値幅比率は9.91%。同比率が10%を下回るのは01年以降では3度しかなく、最も低かった07年の9.3%に次ぐ2番目の低さだった。
  

  

  7月に入ると日経平均はこう着色を強め、同月では取引時間中に前日比で1%以上動いた日がなかった。これはことし初めてのことだ。日経平均ボラティリティー指数は26日に12.23と、10年11月の算出開始以来の最低を更新。米国でもシカゴ・オプション取引所のボラティリティー指数(VIX)が21日に1993年12月以来の水準に落ち込み、ボラティリティー低下は世界的な傾向となっている。

  穏やかな相場が続くが、これは「嵐の前の静けさ」と、大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは判断している。21世紀に入ってから、「日経平均の年前半のボラティリティーが低いと、もれなく年後半はボラティリティーが拡大している」ためだ。最も低かった07年は仏BNPパリバを発端とするサブプライム問題の影響で年後半に2倍に拡大、3番目の05年は郵政解散で4倍、4番目の14年も下半期に6割増えた。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、グローバルに低ボラティリティーが恒常化しているため投資家がその特異さに気づきにくい心理にあることを指摘する。「どこかでこの上昇相場が終わると思いながらも、いつ終わるか分からないため買っているという印象」だとした上で、「それがまさに上昇相場の終わりに近いような動き。問題はいつ、何によって調整が起こるのかは誰にも分からないことだ」と同氏は言う。

  大和証の石黒氏は現在の株式市場が「米金融当局が金融政策を正常化させる一方、利上げを急がない姿勢で、低金利継続を背中に買っている楽観状態」であることから、「各国中銀が正常化に向けて動き出す8月後半から9月にかけて相場が動く可能性がある」とみる。下期変動率のベースとなる6月末の日経平均終値2万0033円を基準として過去の経験則から20%近く変動すると仮定すれば、「まず1万8000円程度まで調整した後、年末にかけては米政策期待で2万2000円程度まで上昇と、4000円の値幅に備える必要がある」と同氏は言う。

東証アローズ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ただ、年後半も凪相場が続くとの見方も根強い。岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジストは、「米国で金融政策の正常化が進み、利回り曲線が逆イールド化し、景気後退を織り込み始めるまで、ボラティリティーの大きなスパイクはないだろう」とみる。前野氏はそうした相場環境が訪れる時期を19年と想定しており、米金融政策の方向性や政策期待からことし秋以降にボラティリティーが上がったとしても一時的だとみている。

  2日午前の東京株式市場では日経平均の騰落率が最大0.6%にとどまり、6月30日を最後に1%未満の状況が継続している。SMBC日興証券の圷正嗣チーフ株式ストラテジストは1日付リポートに、低ボラティリティーは相場変調の予兆であることが多いと記述。過去の動向から、ボラティリティー低迷後に相場が急上昇した場合、アウトパフォームしやすい業種は金融や資源・素材、外需加工組立、急落の場合は空運など原油下落メリット関連や医薬、食料品、建設、情報・通信といった内需や安定成長業種を挙げた。

(セクターへの影響について最終段落に追記します.)
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