東京外国為替市場ではドル・円相場が一時1ドル=110円台前半と、1カ月半ぶり安値を付けた。米追加利上げに対する懐疑的な見方や北朝鮮を巡る地政学リスクが重しとなる中、米長期金利の低下に伴いドル売りが先行した。

  31日午後4時25分現在のドル・円は前週末比ほぼ変わらずの110円69銭。公表仲値が設定される午前10時前には一時110円31銭と6月15日以来のドル安・円高水準を付けた。午後の取引終盤にかけては110円77銭まで戻す場面があった。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、経済指標や直近の米連邦公開市場委員会(FOMC)を含めて米連邦準備制度理事会(FRB)に対するハト派的な見方が広がる中で、短期的にはドル・円の下方バイアスが強まっていると指摘。明日以降に米経済指標など多くの材料を控える中、今週は今年4月と6月の安値を支えてきた52週移動平均線が通る「110円近辺が支えられるかが注目」と話した。

  先週末の米国債市場では、4-6月の実質国内総生産(GDP)や雇用コスト指数が市場予想に届かなかったことや北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて10年利回りが2.29%に低下。週明けアジア時間の取引では一時2.27%付近まで下げる場面が見られている。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉部長は、GDPは1-3月期の落ち込みが一時的とのイエレン議長の主張を確認した形で、9月の量的緩和縮小をサポートするものだが、「利上げができるわけでもないことから、ドル安の流れそのものは変わらない」と話した。

  今週は米国で6月の個人消費支出(PCE)価格指数や7月のISM(供給管理協会)製造業景況指数、雇用統計など注目の経済指標の発表が予定されている。また、ユーロ圏では本日発表の7月の消費者物価指数(CPI)のほか、8月1日に4-6月のGDPが発表される。さらに、8月1日にはオーストラリア準備銀行、同3日にはイングランド銀行の金融政策発表と材料が目白押しとなっている。

  ユーロ・ドルは0.2%安の1ユーロ=1.1733ドル付近。1.17ドル台後半と約2年半ぶり高値付近まで上昇した先週末の動きが一服、週明けはユーロを売ってドルを買い戻す動きがやや優勢となっている。

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