8月第1週(7月31日-8月4日)の債券市場では長期金利の低下が予想されている。日本銀行による国債買い入れオペで金利上昇が抑制されていることから、10年債入札の消化に不安は乏しいとの見方が出ていることが背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物の347回債利回りは、26日に欧米金利上昇の流れを引き継ぎ一時0.08%と14日以来の水準まで上昇した。25、26日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で慎重な物価見通しが示されて米長期金利が低下すると、27日には0.065%まで買われる場面もあった。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「基本的に日銀によるイールドカーブコントロールで長期金利は0.05%から0.10%のレンジが想定される中、下限に近づくとオペ減額の思惑が生じやすい一方、金利が上昇すれば増額が意識される」とし、「レンジを大きく外れる動きは見込みにくい」と指摘。「日銀が細かい金利の動きに細かく対応している印象があり、10年債入札については安心感があり、下値不安はない」とみる。

  財務省は8月1日に10年利付国債の入札を実施する。347回債のリオープン発行で、表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。発行額は2兆3000億円程度となる。3日には10年物価連動債の入札が予定されている。

過去の10年債入札の結果はこちらをご覧ください。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「10年債と物価連動債のいずれの入札も投資家の需要で無難に消化されよう」とした一方で、「上値追いには慎重な姿勢が続いており、入札は上値を抑える要因になる」とみる。

  7月31日には日銀が残存期間10年超の国債買い入れオペを実施するほか、午後5時には8月のオペ運営方針を発表する。岡三証の鈴木氏は、「8月初回のオペ買い入れ額が注目。中期債利回りの上昇懸念が後退しており、債券市場が落ち着いたと日銀が判断すれば、買い入れ額を減額する可能性がある」と言う。

市場関係者の見方

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◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト

  • 日銀オペ運営方針、各年限のレンジを変えず、その後の実際のオペ通知額も当面は据え置くだろう
  • 10年債入札は弱くなる理由もなく、無難に通過するのではないか
  • 長期金利の予想レンジは0.05~0.09%

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

  • 8月はリスク性資産が売られやすいアノマリーがある。米企業決算がピークを過ぎ、投資家が夏休みに入るため、市場に買い手がいなくなるからではないか
  • 債券市場には追い風となり、米10年債利回りが2%程度まで低下する可能性があり、円債には支えとなるだろう
  • 長期金利の予想レンジは0.05~0.09%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 日銀の金融緩和姿勢に支えられて底堅く推移しようが、積極的な買い材料も見当たらず、目先の利回り低下余地は限られよう
  • 週末には7月の米雇用統計発表を控えて膠着(こうちゃく)感の強い相場が続こう
  • 長期金利の予想レンジは0.05~0.09%

  
◎SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト

  • 米国のPCEデフレーターや雇用統計などの指標を一つ一つ見ていく必要
  • 海外金利の動きも小さくなっており、基本はレンジ相場の見込み
  • 長期金利の予想レンジは0.05~0.09%

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