世界で350兆ドル(約3京9000兆円)に及ぶ金融商品の基準となっているロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は2021年末までに姿を消す。英金融行動監視機構(FCA)と銀行は、不正操作のスキャンダルにまみれたLIBORに代えて、より信頼できるシステムを構築しようとしている。

  FCAトップのアンドルー・ベイリー氏は27日、取引データに基づかない指標金利の採用を続けることはできないと述べた。トレーダーらが指標金利を操作していたことが明らかになり、LIBORは腐敗の代名詞となった。銀行には約90億ドルの制裁金が科せられ、何人かのバンカーが有罪判決を受けた。

  ベイリー氏はブルームバーグのロンドン本部で講演し、「市場が現在の形のLIBORに依存し続ければ、取引に基づいた指標金利への移行は完了しないと思う」とした上で、「銀行団が2021年末まで現行のLIBORをサポートすることで、移行の計画と実行はスムーズに進むだろう」と語った。

  LIBORは20の銀行が他行から借り入れられると考える金利を5通貨、7つの期間についてロンドン時間午前に申告し、これに基づいて決まる。不祥事の後に管理体制が見直され、インターコンチネンタル・エクスチェンジが英国銀行協会(BBA)から引き継ぎ、実際の取引に基づいて決定されるよう取り組んできた。

  しかしベイリー氏(58)は、LIBORの基になる銀行間の無担保資金取引市場にはもはや、信頼できる金利を設定するのに「十分な活動」がないと指摘。代替の方法を見つける必要があると述べた。ある通貨の特定の借入期間の取引は、2016年に15件しかなかったという。

Andrew Bailey poses in London, on July 27.
Andrew Bailey poses in London, on July 27.
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  「基盤となる市場に十分な活動がないのでは、LIBORという指標の持続可能性に深刻な疑問符が付く。活発な市場が存在しないならば、最良の方法で運営される指標でもそれを測ることはできない」とベイリー氏は語った。同氏はイングランド銀行次期総裁の有力候補と見なされている。

  みずほインターナショナル(ロンドン)の欧州金利戦略責任者、ピーター・チャットウェル氏は「FCAによるこの決定は、LIBORに基づく全てのスワップ金利に不透明感をもたらすだろう」とし、「市場は新たな指標がどんなものになるのかガイダンスを必要とするだろう。ボラティティーは上昇し、短期的に流動性が低下する可能性もある」と語った。

  FCAは2013年からLIBORの監督を担うようになった。同年には金融指標に関して誤解を生む行動を取ることを犯罪とする法律が成立した。

  ベイリー氏によると、FCAはLIBORの使用打ち切りやそれに要する期間について、銀行団とここ数カ月協議してきた。難しいことだが4-5年をかければ可能だろうと大方の銀行が同意し、FCAは21年末まで金利申告を続けることを銀行に求めたという。

  ベイリー氏は、銀行および他のLIBOR利用者との協議はまだ初期段階だとした上で、事態を進展させるために当局が「圧力」を駆使することも時にはあるかもしれないと付け加えた。

原題:Libor to End in 2021 as FCA Says Bank Benchmark Is Untenable (2)(抜粋)

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