27日の東京株式相場は続伸。連邦公開市場委員会(FOMC)後に米国の長期金利が低下し、世界的な流動性相場が続くと期待された。精密機器や電機株など輸出セクター、電力や食料品株など内需セクターが幅広く買われ、任天堂日本電産HOYAなど決算評価銘柄の急伸も寄与した。

  TOPIXの終値は前日比5.96ポイント(0.4%)高の1626.84、日経平均株価は29円48銭(0.1%)高の2万0079円64銭。

  BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史・日本株式運用部長は、「FOMCは今までの路線から逸脱せず無風だった」とした上で、日本企業の業績は1年前に比べあまり円安にはなっていないが、「世界経済は回復していることから、外需企業は良い数字を出せている。業績が良く、支えられている部分が多分にある」と話した。

東証内
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Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  FOMCは25ー26日の会合で政策金利の据え置きを決定。声明は、「前年比ベースでの全般的なインフレ率ならびに食品とエネルギー価格を除いたベースでの指標は低下し、2%を下回る水準で推移している。市場に基づくインフレ調整指標は低い水準が続いている」と指摘した。

  インフレが依然目標値を下回る低水準にあり、米当局は利上げを急いでいないとの見方が強まったことから、先物市場が織り込む12月の米利上げ確率は40%程度と、声明発表前の45%から低下した。26日の米国債は上昇、10年債利回りは2.29%と5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げた。一方、米S&P500種株価指数は小幅ながら最高値を更新した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「世界的に景況感や企業業績が好調な中、当面低金利が続くという『適温相場』の色彩が強まっている」と言う。発表が増えている国内企業の4ー6月決算については、「通期計画に対する進ちょく率が高いという流れが持続している」と指摘した。

  4ー6月期が営業黒字に転換した任天堂や業績計画を上方修正した日本電産が売買代金上位で大きく上げ、4割を超す4ー6月期の最終増益と自社株買いを受けたHOYAも上昇。4ー6月期営業利益が6割減だったアドバンテストは、受注や今後の見通しはポジティブとクレディ・スイス証券が評価するなどプラス面が見直され、下落後に切り返した。

  午後は先物主導で値動きがやや荒くなった。日経平均は一時126円高、TOPIXも一時1636.53と日中の年初来高値を更新する場面があったが、終盤は上値の重い展開。民進党の蓮舫代表が辞意との複数報道が市場に伝わり、国内政治情勢をめぐる思惑で先物が反応した。また、上値を抑えた要因の1つは為替動向だ。米金利低下によるドル安の流れを受けたきょうのドル・円は、一時1ドル=110円70銭台と前日の日本株終値時点111円90銭からドル安・円高に振れた。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、米国の利上げの方向性は変わらないが、「9月ではない可能性が高くなり、マーケットは12月にできるのかという反応になっている」とし、米金利が上がらなければ、米国株は上昇しても「ドル高・円安が進まず、日本株の上値は重くなる」とみていた。

  東証1部33業種はその他製品、精密機器、電気・ガス、空運、電機、食料品、非鉄金属、輸送用機器など23業種が上昇。石油・石炭製品や海運、銀行、保険、建設など10業種は下落。売買代金上位では、ゴールドマン・サックス証券が目標株価を上げたソニーのほか、キーエンスやLINE、ダブル・スコープも高い。半面、東芝や安川電機、エムスリー、VOYAGE GROUPは安い。

  • 東証1部の売買高は18億3716万株、売買代金は2兆5461億円
  • 値上がり銘柄数は991、値下がりは884
    12月の米利上げ確率は低下
    12月の米利上げ確率は低下
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