中国で最も活発に買収を仕掛けてきた企業の一つ、海航集団(HNAグループ)を取り巻く謎の中で一番不可解だったのは、貫君氏という人物が同社株式を29%保有していたことだ。

  資産規模が1500億ドル(約16兆8000億円)に上り、ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスやドイツ銀行にも出資しているこの複合企業、海航集団の筆頭株主に、ほとんど無名の中国人投資家がいかにしてなったのか。

  海航集団のウオッチャーは今週、その答えの一端をようやく得ることができた。しかしそれは同時に、同社を巡る米中当局の審査が強化される中で同社のガバナンス(企業統治)や出資構成に対する新たな疑問を引き起こした。

  明らかになったのは貫氏が支配権維持を全く意図していなかったことだ。事情に詳しい複数の関係者がブルームバーグに25日述べたところによれば、同氏は海航集団の複数の幹部の代わりに同社株式を保有していた。関係者の1人は、貫氏が今年に入って保有株を5人の個人と同社の財団一つに全て引き渡したと語った。貫氏の保有比率は海航集団の昨年の届け出に記載されていた。

  海航集団が24日開示した資料によれば、現在の大株主はニューヨークと中国にそれぞれ拠点を置く慈善団体で、残りを海南航空控股と創業者を含む海航集団の幹部ら12人が分け合っている。

  中信証券(CITIC証券)のクレジットリサーチャー、リュウ・ピン氏(北京在勤)は、海航集団による今回の情報開示について、「同社の出資構成に関する疑問に答えたというより、同社の一部大株主に対する疑問を引き起こしている」と指摘した。

原題:HNA Mystery Man Gives Away a Fortune and Raises Fresh Questions(抜粋)

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