東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円前後。米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えて警戒感がくすぶる中、ドルの上値は重い展開だった。米金利の伸び悩みや日本株の下落を背景に相場は110円台後半へ値を切り下げる場面があった。

  25日午後4時25分現在のドル・円は前日比0.1%安の111円ちょうど。一時は110円83銭まで値下がりした。前日の米金利上昇を受けて朝方は111円34銭までドル買いが先行。その後は伸び悩んみ、午後に、メルシュ欧州中央銀行(ECB)理事の発言を受けてユーロ買い・ドル売りが強まると、ドル・円は111円を割り込んだ。前日は前週末からのドル売りの流れが続き、110円62銭と6月15日以来の水準までドル売り・円買いが進行。その後、米長期金利の上昇を背景に111円台前半まで持ち直していた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替市場課の池島俊太郎課長は、FOMCについては「物価の減速は一時的とのスタンスに対して懐疑的な見方」が根強く、「ドルロングを持っている人はちょっと気持ち悪い面もあり、いったんポジションを落としておこうというのもある」と説明。この日の海外時間は110円台で方向感が出るとは思えないとしながらも、「少しダウンサイドが警戒される」と話した。

  ドル・円の反落をめぐっては、北朝鮮が新たなミサイル実験を準備している可能性があるとのCNN報道がきっかけだったとの声も市場で聞かれた。一方、午後の動きについて、池島氏は、日経平均が引け際に下げたことやオプションの東京カットに絡んだ売りに加えて、ロンドン入りでクロス円(ドル以外の対円相場)が売られたことが影響したと説明。「全体的に円ショートポジションの調整が続いている印象」と話した。

  FOMCは25日から2日間の日程で開催される。金融政策は現状維持の見通し。前回6月会合ではインフレ鈍化は一時的との判断の下、追加利上げを決め、バランスシート縮小計画の詳細を示した。ブルームバーグが今月実施したエコノミスト調査によれば、米金融当局は9月にバランスシート縮小時期を公表、追加利上げは12月に先送りするとの見方が大勢を占めている。  

  三井住友銀行市場営業部NYトレーディンググループの青木幹典グループ長(ニューヨーク在勤)は、仮にインフレに関する文言がハト派化すればドル売りがさらに進む可能性があると予想。「今は9月のバランスシート縮小発表がコンセンサスだが、それさえも声明の文言でにおわせなかった場合はドルはさらに重くなる」と話した。

  一方、この日は米国で7月の消費者信頼感指数や5月の住宅関連指標が発表される。上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人ストラテジストはリポートで、前月からの低下が見込まれている消費者信頼感指数の結果によっては「ドルの下押し圧力がさらに強まる危険はある」と指摘した。

  前日の米国債市場では10年債利回りが2bp高い2.26%に上昇。アジア時間25日の時間外取引では2.25%前後で推移している。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、ドル・円は米金利につれて上昇したが、「米金利上昇も米債務問題を要因としたもので、持続性のある話ではなさそう」と指摘。シカゴ通貨先物市場のポジションが示すように「円ショートがたまっており、こうしたポジションの解消がドル・円の戻りを抑えることになりそう」と話していた。

  ユーロ・ドル相場は0.2%高の1ユーロ=1.1669ドルまで上昇。メルシュECB理事はシンガポールでのスピーチで、ユーロ圏の基調的なインフレ率は徐々に上昇するとの見方を示した。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、ユーロ・ドルは15年8月高値(1.1714ドル)を抜けると大幅な上昇に結びつく可能性もあり、目先は投機筋から狙う動きが入りやすいと予想。その上で、先週のECBの政策委員会を通過し、「ユーロ圏の材料は出たので、あとはドルサイドが買われるか売られるかに振り回される」展開になるだろうと話した。

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