米テスラを率いるイーロン・マスク氏は先週、ニューヨークとワシントンを結ぶ超高速鉄道向けトンネルの建設で政府の「口頭承認」を得たとツイートした。「ハイパーループ」と呼ばれるこの輸送システムは、220マイル(約350キロメートル)離れた両都市を29分で結ぶ構想だ。ただ詳細には触れず、マスク氏のトンネル掘削ベンチャー、ボーリング・カンパニーの広報担当もコメントを控えた。

  このツイートの狙いは明らかでない。トンネル全長は、スイスにある世界最長のゴッタルド・ベース・トンネルの2倍以上になる。このような野心的なプロジェクトには数十億ドル単位の資金を要し、連邦、州、自治体政府による承認に長い時間がかかると覚悟する必要がある。

マスク氏が掘削した最初のトンネル
マスク氏が掘削した最初のトンネル
Source: Boring Company

  ボーリング社が本当にトンネル掘削開始の一定の承認を受けたとしても、どれだけ速やかに着工に至るかは不明だ。磁気浮上技術と真空に近い状態を用いた高速鉄道システムであるハイパーループ構想をマスク氏が初めて提案したのは2013年だった。マスク氏は16年、自らが率いる宇宙開発ベンチャー企業、スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)の本社近くにハイパーループの試験走路を建設し、コンペ方式で学生らに製作させた試作品の走行を行った。試作品の有人走行はまだ行われたことがない。

  とはいえ、16年12月創業のボーリングに対するマスク氏の野望はかなりのものだ。今年1月には、いずれロサンゼルス全域をカバーするとマスク氏が言うトンネル網の一部の掘削をスペースXの駐車場で開始。米誌ブルームバーグ・ビジネスウィークによると、マスク氏は購入を検討している中古のトンネル掘削機をじかに見ようと2月にワシントンの工事現場を訪れた。そしてマスク氏は先週、東海岸のトンネル掘削は西海岸の作業と「並行して」行われるとしたほか、「その次はおそらくLA-SF間、それとTXループ」だと続け、テキサスのループも視野に入れていることを示した。

  ホワイトハウス報道官は、トランプ政権が「これまでにマスク氏およびボーリング幹部と、ハイパーループについて将来有望な話し合いを持った」ことを確認した。

  マスク氏の言う「口頭承認」が何を指すのかはともかく、同氏の一連のツイートはボーリングの今後の事業に興味を抱かせる試みという程度のものだろう。ツイートで事業への支援を募っているのかとのジャーナリストの質問に、マスク氏は「支援があれは大変ありがたい」と答えた。

原題:Elon Musk Claims U.S. Approval For World’s Longest Tunnel(抜粋)

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