新興国の債券相場に連動するブラックロックの上場投資信託(ETF)の急成長に投資家が不安感を募らせている。

  新興国国債の4.7%に上る平均利回りに投資家の注目が集まる中、「iシェアーズJPモルガン新興国市場現地通貨建て国債ETF」(ティッカー:IEML)は今年、運用資産規模が倍増し、30億ドル(約3300億円)余りを集めた。ただキャリー取引の巻き戻しがいずれ発生した場合、投資家は一斉に資金引き揚げに走り、同ファンドは急落する恐れがある。

  シュローダー・インベストメント・マネジメントのファンドマネジャー、レミ・オルピタン氏は「それが夜眠れない要因だ。タントラム(市場のかんしゃく)や危機が発生すれば、資金は流出する。問題は誰もが脱出しようとする出口がかなり小さいことだ」と指摘した。

  ETFは投資信託に比べて数分の1のコストで指数を受動的に追跡できるため、投資家は容易に低コストで市場に対するエクスポージャーを保有できることから、流動性の低い市場でバブルのような状況を生み出していると批判を受けている。それに加え、市場センチメントの急変で大量の資金流出に見舞われやすい資産クラスである点を踏まえると、好ましくない状況に陥る恐れがあると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチのストラテジスト、デービッド・ハウナー氏は指摘した。

  ETFは新興市場投信とは異なり、現金保有の選択肢はないことから、資金流出に見舞われれば連動する指数の原資産である債券を売却する必要に迫られる。

原題:Traders Fear Hard Landing in Emerging-Markets as Bond ETF Swells(抜粋)

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